天の月

ソフトウェア開発をしていく上での悩み, 考えたこと, 学びを書いてきます(たまに関係ない雑記も)

スクラムカンファレンスの歩き方に参加してきた

スクラムカンファレンスの歩き方 - connpass

こちらのイベントに参加してきたので、会の様子と感想を書いていこうと思います。

会の概要

以下、イベントページから引用です。

株式会社タイミーは「一人ひとりの時間を豊かに」をビジョンに掲げ、日々の開発を行っています。 今回のテーマは「スクラムカンファレンスの歩き方」です。 様々なカンファレンスがオフラインに回帰し、また多くの出会いや交流を生み出す、あの熱量が帰ってきています。スクラムカンファレンスも日本ではRSGTや各地域のスクラムフェスが盛り上がっており、スクラムの知見が広く共有されています。また、海外でもGlobal Scrum Gatheringなどが開催されており、盛り上がりを見せています。今回はそんなスクラムカンファレンスを最大限楽しむ為に「スクラムカンファレンスの歩き方」を開催します。 ゲストに一般社団法人スクラムギャザリング東京実行委員会の代表理事である川口恭伸(@kawaguti)さんをお招きして、RSGTの歩き方を教えて頂きます! タイミーからはスクラムフェス神奈川の運営を務める吉野 正義と会社の制度を利用して今年のGlobal Scrum Gatheringに参加した坂上 摩畝が登壇し、それぞれのイベントの歩み方をお話します!

会の様子

川口さんの講演

スライド

speakerdeck.com

スライドがあるので、ブログはスライドで話されていないようなことを記載していこうと思います。

歩き方

歩き方は右足と左足を交互に歩くのがおすすめだという内容を説明するためだけにいらすとやを3枚も使ったというのがポイントだということでした。

RSGTという場で重視していること

あくまでもスクラムを実践している人たちが集まる場であることを重視しているため、裏を返せばスクラムをやっていない人に対して「スクラムとは!」という内容を話す場ではないということでした。また、スクラムを普及させることも関心を持っていないということです。

セッションのカテゴリ

スクラムの実践者を集めるということを目指した結果、徐々に枯れた場になっているということで、今回は初心者向けチュートリアルスクラム初体験事例のカテゴリを増やしたということでした。(ただし、そんなにセッションが応募されたわけではなかった)

また、チームの熟達系の話は大体がマインドセットやソフトスキルの話の印象があったのでそのカテゴリを作ったところ、めちゃめちゃ投稿数が多くなったということです。

基調講演

基本的には公開しているとおりですが、ジェフパットンだけはまだ正式には公開できていなかったということでした。

OST

世界で一番活発なOSTなんじゃないか?という話がありました。世界各国のScrum Gatheringに参加している人たちも驚いて帰っていくそうです。

参加者の獲得

参加者に楽しい体験をしてもらって、その参加者が別の参加者を連れていくような流れを理想としているため、広告も公式サイトくらいでしか打っていないし、参加者も一気には増やさないようにしているということでした。

正義さんの講演

スライド

speakerdeck.com

こちらもスライドがあるので、ブログはスライドで話されていないようなことを記載していこうと思います。川口さんのスライドよりも更にスライド内に情報が書いてあるので、ブログ内の補足も少なめになります。

スクラムフェスの全体感

各地のスクラムフェスで微妙に趣旨などは違うので、全体的に共通していそうな部分をざっくりとまとめたのが「スクラムフェスはアジャイルコミュニティの祭典!」のスライドだということでした。

オンラインの原体験

正義さんはスライドにもある通り最初はオンライン参加から始めたそうですが、オンラインでDiscordでの会話を通して話ができた体験がめちゃくちゃ良かったそうで、そこからスクラムフェスへの関わりに繋がっていったということでした。

プロポーザルを眺める

採択される/採択されないにかかわらず、気になるプロポーザルを眺めてみて、気になる内容に関しては先に本を買ったりしておくことが大切だということでした。

オフラインとオンラインの差

体験には差があると正義さんは感じたそうで、特に不揮発的に発生する雑談やOST/ワークショップへの参加ができるのはオフラインならではだと感じたそうです。

無理はしない

少しでもコミュニティに参加している人(スクラムフェスに参加している人だけではなく、スクラムフェスの資料を読んでいる人も含む)は尊いという話がありました。

そのため、楽しみながら継続的に参加することが大切であり、無理にスクラムカンファレンスに参加する必要はないということでした。

Mahoさんの講演

こちらはまだスライドが公開されていなさそうなので、話されていた内容(Global Scrum Gatheringの歩き方)を記載していきます。

なぜGSGに行ったのか?

社内に参加者経験があった人がいなかったことや英語が少し喋れること、日本とのカンファレンスの雰囲気の違いを知りたかったということが主な理由だということでした。

参加する心境の変化

最初(初日)は「セッションを聞きまくるぞ!」というやや受け身な気持ちで、アウェイ感もすごくあったということです。

2日目になると参加者との交流を通して心境変化があったそうで、特に車を一緒に作るワークショップがすごく楽しかったということでした。また、セッションの中でもディスカッションする時間があったのは非常に良かったということでした。

最終日は、目指すべきSM像が明確になってきて、GSGに参加したことをすごく幸せに感じたということでした。

学んだこと

まず、Entertainment, Inclusive, Curiosityの3つの要素を重視することでポジティブを再現することができるのではないか?という発見があったということでした。

次に、スパーク*1が生まれる余白を持つことの重要性に気がついたということでした。この余白は、予定調和を壊して未知を受け入れることで生まれるそうです。

おすすめの歩き方

GSGに限らないかもしれませんが、予定調和を壊していくためにも「一人で行く」ことが重要だという話がありました。
実際には一人で行くのが難しいこともあると思うので、「一人の時間を作る」ことで代替できるということでした。

会全体を通した感想

川口さんの講演は、RSGTを支えている運営や考え方の話が中心となっていて、来年で5回目の参加になる自分自身が感じているRSGTの醍醐味が詰まっているセッションで大満足でした。特に正統的周辺参加の部分はRSGTという場を支えるための根幹的な仕組みだと改めて感じました。

正義さんの講演は、正義さんの経験とスクラムフェスの実践知がきれいにまとまっている感じがあったのが素敵でした。スライドに出てくる話もスクラムフェスで話されていた内容やスクラムフェスの中でおきたやり取りばかりだったので、魅力がよく伝わってきました。

Mahoさんの講演は、個人的にはかなりエクストリームに感じる話で、自分がこれまで多く実践してきた楽しみ方とは違っていたので、これまで多くコミュニティに参加してきたけれどまだまだ自分が知らない楽しみ方があるんだなーという可能性を感じられた点がすごくよかったです。

*1:造語であり、卵を割ったら黄身が2つ出てきたときの心境