天の月

ソフトウェア開発をしていく上での悩み, 考えたこと, 学びを書いてきます(たまに関係ない雑記も)

アジャイルカフェ@オンライン 第58回に参加してきた

agile-studio.connpass.com

こちらのイベントに参加してきたので、会の様子と感想を書いていこうと思います。

会の概要

アジャイルコーチの木下さん天野さん家永さんが、アジャイル実践者からのお悩みに答えるイベントです。

今日のテーマは「アジャイルのよくある勘違いとその対処の仕方は?」でした。

会の様子

ドキュメントを書かない

一番あるあるなんじゃないかということでまず話がありました。

アジャイルソフトウェア開発宣言で、「包括的なドキュメントよりも動くソフトウェアを」という表現から勘違いされがちであるものの、成果に基づかないドキュメントを残さないという話だという紹介がありました。

コミュニケーションには飲み会が適している

推奨する人がかなり多いものの、飲み会が苦手な人やお酒を飲めない人もいるので、フォーマルな場で話すこととアサーティブに対話することのほうが重要だという話がありました。

ペアプロやモブプロは開発速度を下げる

ソフトウェア開発で、誰がやっても同じ速さで同じものが出てくるのであればそれはモブプロやペアプロをやる意味がないかもしれませんが、そういったことは殆どないので、スキルの熟練度などを考慮しながら、できることなら常時ペアプロ/モブプロで作業を進めたほうが良いんじゃないか?ということでした。

スクラムをやるとMTGが増えて作業する時間がなくなる

ミーティングの時間を短くするのではなく質の高いミーティングになるようにファシリテーションを工夫したり、回答を受け取るまでにリードタイムが長いことを改善したりと、そういった工夫をしていくことがいいのではないかということでした。

見積もりの精度は高ければ高いほどいい

過去は時間を細かくかけて、属人化が排除できるようなレベルまでタスクを細かくしていたそうですが、そのうち見積もり精度を上げるためにタスクの時間を調整して見積もり通りになる(無理に引き伸ばしたり途中で無理やり終えたり)ようなことが起きてしまい、精度が高ければ高いほどいいわけではないんだなあということを痛感したということでした。

属人化はなければないほどよい

特定の人がいなくなったときにパフォーマンスがあまりにも大きく起きてしまうのはよくないものの、「自分っていなくてもいいじゃん」みたいな状態にその人が感じてしまい自己効力感が下がってしまうと苦しいという話がありました。

あくまでもチームのボトルネックになっている人を助けるような振る舞いが重要だということです。

(質問) こういった勘違いは勘違いしやすいフォースがあるのか?それとも勘違いが広まりすぎて正しい知識だと思ってしまうのか?

ドキュメントの話は、当初ドキュメントをずっと書いていて苦痛だったときにアジャイル開発に出逢い、自分の都合の良いように解釈してしまったということでした。

テストの綺麗さに過信があった

テストを綺麗に書いていたので仕様を熟知していると思っていたものの、それが過信に繋がり、POとの会話がおろそかに徐々になっていって、POのイメージと徐々にずれが生じてしまったという話がありました。

ユーザーストーリーのサイズ

XPの本が日本に来た時にユーザーストーリーのサンプルがあったそうですが、A4のサイズで印刷されていたので、それくらいのサイズだと勘違いして、めちゃくちゃ詳しくユーザーストーリーを書くようにしてしまったということでした。

また、今はツールでユーザーストーリーを大量に書けるようになっているため、同じような勘違いをしてしまう人が出てこないかを懸念しているそうです。

気になったことは全て言ったほうがいい

基本から逸れていることを、一気にすべてフィードバックしてしまうのが良くないということでした。

特に関係性ができていないときは変な上下関係ができてしまったりしますし、To Beに合わせて話をすることが重要だと今は思っているそうです。

会全体を通した感想

今回のテーマは結構楽しみにしていて、実際にお三方がしていた勘違いや見聞きする勘違いを多数聞けたのが良かったです。

欲を言えば、質問にもあった勘違いが起きているフォースももう少し勘違いごとに聞けるとよかったなと思いました。