こちらのイベントに参加してきたので、会の様子と感想を書いていこうと思います。
会の概要
アジャイルコーチの木下さん、家永さん、天野さんのお三方がアジャイル実践者からの悩みに対して色々な角度で回答をしていくイベントです。
今回のテーマは、「過去に成功したチームと同じことをしていないと不安なマネージャを説得するにはどうしたら良いですか?」でした。
会の様子
コンテキストの確認
まず、話のコンテキストとして、
- 過去にアジャイルに成功したことがある
- メンバーから提案があっても過去と違う提案の場合は拒絶してしまう(例: スプリントは絶対2週間スプリントがいい、常にモブワークしないといけない)
- 前回うまくいった経験を棚卸し、チェックリスト化している(前回やったことをやっていないとマイナスなど)
の話がありました。
不安の原因
マネージャーは説明することが上手であることが多く、基本的に自分の意見に対して賛同されるような経験のほうが多いため、否定されると不安になるんじゃないか?ということでした。
また、マネージャーは自分がしていないことに対して責任を取るような立場であるため、自分が知っているやり方や自分が見える範囲でのやり方をしてもらえないと、上司に対して「なんでうまくいかなかったの?」ということに対する返答が難しそうだという話がありました。
他にも、マネージャーと同じ課題感を持てている人や同じ情報量を持っている人がいないというパターンもあるので、マネージャーの悩みを聴く必要があるということです。悩みを聞く時は、1on1がやはり有効で、普段の1on1の延長で使えるようなシャッフル1on1などは最近の取り組みとして面白いということでした。
説得することで得たいものはなんだろう?
質問者が結果として得たいものはなんだろう?という話を次にしていきました。
- アジャイルで目指したい人材を増やしたい
- やる気を出したい(「前と同じようにやって」と言われるのは一番嫌い)
- 工場メタファーからの脱却
- 責任感を持てるようにしたい(なぜやっているか?という質問に対して、「こう言われたからです」となるのは避けたい)
また、「説得したい」という想いは、相手から押し付けされているから押し付け返したいというような意図にも見えてしまうので、なんでそういう風になってしまうんだろう?という話がありました。
そうならないように、目指す姿を定義しておいたり、マネージャーのしごとは何なのか?*1を話し合っていけると良いという話もでていました。
上手に説得(説明)するコツ
まずは、ゴールや目的を明確にして、そこに向かっていくためにどういうアプローチがいいのか?という話をするのがよいのではないかということでした。
他にも、スクラムマスター同士で集まって作戦会議をした後に、リーダーに対して相談した内容を見つけるという風に、作戦会議をまず最初に取るのは有効だろうということです。
また、部下は上司の強みを活かすような動き方をするように上司をマネジメントするという考え方も大切にしてみるといいということでした。
会全体を通した感想
「説得」というワーディングから感じられるような想いやそういったときにどうしていくのか?というのは共感できるものがあった一方で、関係性ができていないから1on1で関係性を作っていこうのは、結構ハードルも高いし、それなりのスキルがないとアンチパターンの1on1になる可能性も高そうだなあと思って聴いていました。