こちらのイベントに参加してきたので、会の様子と感想を書いていこうと思います。
会の概要
昨今の事業開発・UXデザインでは、仮説としてのアイデアやデザインをターゲットに見せて得られたフィードバックをもとに磨き込む仮説検証サイクルを重視しますが、この工程が重いと最悪の場合、検証をしないという判断にもなりかねません。本セミナーでは、リサーチを大幅に高速化・省力化できる自社専用のリサーチパネルの構築方法をご紹介します。
1)リサーチで自動化可能なタスク
2)無料ツールを使ったリサーチパネルの構築
3)ケーススタディ(どのようにハードルを乗り越えていったか)
会の様子
リサーチの高速化に必要な仕組み
はじめに、リサーチの高速化に寄与するリサーチパネルの話がありました。
リサーチパネルとは、リサーチに協力してくれる意向を示してくれいている人の集まりを指しており、マクロミルをはじめとしたリサーチ会社が保有しているのが一般的だということです。
ただ、こういったリサーチ会社を用意するよりも自社でリサーチパネルを構築するほうが望ましいということで、その理由としては以下が挙げられていました。
- プロダクトを買ってくれた人の話を聞くことができる
- ローンチ直後から対話することができる
- 仮説検証のスピードが手に入る(自社でリサーチパネルを構築すると平均3日のリードタイムだが、調査会社だと平均は3週間のリードタイム)
ただし、リサーチに必要となるリクルーティング業務を自社で担う必要があるため、絶対にリサーチパネルを自社で構築しないといけないという話ではないということです。
リサーチパネルの構築ステップ
上記で述べたようにメリットが大きいリサーチパネルをどのように構築していくのか?という話が続いてありました。
リサーチパネル構築は、募集→スクリーニング→日程調整→リクルーティングのステップで進めるということです。
募集時のポイント
募集する際のポイントとして、以下の点が挙がっていました。
- プライバシーポリシーの確認を早めに行う
- 適正な謝礼を用意する
- 継続的な協力を前提とした依頼文面にする
- 定常的に集められるような仕組みを作る(人が通るバナーページ的なところに常に協力要請を表示しておく)
- ゆるいつながりを持ち続ける
スクリーニングのポイント
スクリーニングをする際のポイントとして、以下の点が挙がっていました。
- 質問数を最小限に抑える
- 条件にマッチしているかを判別しやすい質問とする
- 調査対象者の質を見抜く
- 個人情報取得への同意を改めて取る
- 最初から予備を選定しておく
日程調整時のポイント
日程調整をする際のポイントとして、以下の点が挙がっていました。
- リマインドを複数回する
- 守秘義務への同意(今日インタビューしたことは誰にも言わないでね、という話をする)をしてもらう
- 候補日程を多めに設定する
- 出欠の返信には期限を設ける
- 会議ツールを準備してもらう
- 事前に同意をとっておく
リクルーティングのポイント
リクルーティングする際のポイントとして、以下の点が挙がっていました。
- 今後も継続的に協力をお願いしたい旨を伝える(基本的には同じ人にインタビューするとメリットが大きい。関係性構築とかのコストが低い)
- 緊急連絡先を教えておく
- インタビューを実施しない条件(XX分遅刻など)を決めておく
- 多少の時間的余裕を残す
- 支払いの記録を取っておく
pivo
最後に、今日ここまで話したポイントを自動化することで仮説検証を高速化するpivoというツールが紹介されました。
最初は無料で使い始めることができる点やアシスタントなどを用いずに一人で仮説検証ができる点、リンクを一つ配布するだけで自動化がスタートできる点がおすすめポイントだということです。
会全体を通した感想
今後ユーザーインタビューを実施する際にチェックリスト的な形で使えるようなイベントだった点がよかったです。
特に、継続的にインタビューをしていくための仕組みづくりというのは非常に重要だなあというのを実感しました。