天の月

ソフトウェア開発をしていく上での悩み, 考えたこと, 学びを書いてきます(たまに関係ない雑記も)

勉強会の勉強会「みんなの勉強会を知ろう・天下一勉強会」に参加してきた

yumemi.connpass.com

こちらのイベントに参加してきたので、会の様子と感想を書いていこうと思います。

会の概要

日本で一番勉強会を開催しているYUMEMIさんが、勉強会に関しての勉強(どうやったら勉強会を高頻度で開催できるのか、勉強会の同士をどのようにして集めるのか...)をしてみようという会です。

会の様子

LTから埋まる勉強会の作り方 by 「KyotoLT」庄瀬 / 原口さん

まずはフリーテーマのLTを企画されているKyotoLTの取り組みに関して、庄瀬さんと原口さんからありました。

KyotoLTは、LT枠の方が参加枠よりも多いというなかなか稀有なイベントだということで、このように活発にLTが続く原因を話してくれました。原因として挙げられていた点を以下に箇条書きで記載していきます。

  • ITに関してであればなんでもOKというようにフリーテーマでありハードルが低めであること*1
  • 他の勉強会とのコラボを定期的に開催していること
  • 「ちょうどいい」勉強会であること(地元でやっている、エンジニアの露出をする場としてちょうどいい、IT経験が浅い人でもLTできる)
  • 長く続けている(10年間続いている)

個人でLT会を主催してみた by 「エンジニアと人生」かっくんさん

続いて、かっくんさんから、なんとか勉強会を作れないかということで自分自身でコミュニティを作ったお話を聞いていきました。

技術力を上げるための選択肢の一つとしてカンファレンスでの登壇があるものの、登壇の準備としてオンラインになったことで勉強会が減ってしまったため、かっくんさんは自分自身でコミュニティを作ったそうです。

発表では、コミュニティでイベントを開催する際に用いた機材やToolの話をしてくれました。
具体的には、イベント開催までの必要な準備*2, 有料Zoomアカウント+Youtube Live配信の仕方, メンバーの集め方...を説明してくれました。
機材の詳細はかっくんさんが後ほどスライドを展開してくださると思うので、そちらに譲ります。

続く勉強会の作り方 by「SwiftKotlin愛好会」jollyjoesterさん

続いて、7年以上勉強会を続けているjollyjoesterさんから発表がありました。

jollyjoesterさんは、エンジニアがお互いに高めあっていくような文化にすごく感銘を受けて長く続くような勉強会を立ち上げたそうで、発表の中でそのコツを紹介してくれました。
以下、そのコツを箇条書きで記載していきます。

  • 運営はがんばりすぎない
  • 時期が来たらやるだけという形(定期開催)にする
  • 自由な談義スタイル(ただしタイムマネジメントが大変なので最後に自由時間のような形でバッファを持つようにしている)
  • 乾杯から始めることで参加者の緊張感を抑える
  • 日常は省エネだが、たまに合宿やイベントなどを
  • Google Meet/Youtube Liveと2つのパスを用意する(聞き専でまずは参加したい、という人が入れるようなパスを用意しておく)

属人化しない為の勉強会作り by 「YUMEMI.grow」星野恵瑠さん

次に、今日の勉強会の主催者でもある恵瑠さんから勉強会を誰でもすぐに開催できるようにするためにゆめみさんが行っている工夫を紹介してくれました。
※ 個人が主催するようながんばらなくても良い勉強会ではなく、会社が主催するある程度しっかりした勉強会を高頻度で継続的に開催するというコンテキストでのお話でした。

ゆめみさんでは、Notionテンプレートを活用しているそうで、勉強会を開催するために必要なことや、勉強会を開催する際に必要なツールの具体的な使い方などを丁寧に記載しているそうです。(Notionテンプレートの具体的な使い方などは実際のデモがありました)

このNotionテンプレートのおかげで、タスクが細かく分類されて分担しやすくなったり、開催ノウハウが少数名に依存しなくなったりする効果があるというお話でした。

地域に根ざしたコミュニティの工夫 「GDG Osaka」 ふるしんさん

最後に、勉強会の主催が趣味だというふるしんさんから地域コミュニティを盛り上げる発表がありました。

最初に、地域コミュニティを主催する際に地域コミュニティならではの難しさを感じる点として、

  • 地域に根ざした方を登壇者として招聘すると人が偏る
  • 地域に根ざした方が転勤してしまう(出張費の工面が難しい)
  • オンライン化したことで地域色が薄れてしまう

を挙げてくれました。

また、ある程度しっかりした勉強会を開こうとするとお金を工面するのも工夫が必要だということで、Googleの影響力を活用してメンバーがいる会社にスポンサーをお願いしたり、大きいイベントを一度開催して余剰を作ってそのお金でその後のイベントを工面するようにしているそうです。

Q&A/パネルディスカッション

最後にチャットにQ&Aで来ていた「勉強会を開催するのは意識の高い人がやるかどうかになりがちで、ROM専が多くなってしまう」という悩みについて登壇者のみなさんが回答してくれました。

まず前提として、勉強会を運営する人の意識は高くないということでした。*3
その上で、以下のような意見が登壇者の方々から出ていました。

  • 談義だったり雑談みたいな緩いイベントを開催することで、意識が高い人達のイベントじゃないよーということを参加者が知れる
  • 最初はROM専で参加している人も楽しくなったりすれば徐々に参加方法が変わってくるので、運営が楽しむことが大事
  • 勉強会を開催するメリットの一つとして、自分が聞きたい話を最前線で聞けたり、憧れのような人と直接話せて飲みに行くことができたりする。そういったメリットを享受したいんだ、という風に現金主義になってみてもいいのでは?
  • 周りにはすごい人がいて勉強会を開催しているけどどうすればいいのか何かもやもやしている人はいると思う。そういう人の背中を押せるような人(邪魔をしようとする人を消したり、その人が好きにやることを尊重してくれる人)がいると大分やりやすくなるのかもしれない

会全体を通した感想

登壇やパネルディスカッションの内容がよかったのももちろんですが、勉強会に興味がある参加者ということもあって、めちゃくちゃチャットが活発に動いているのも印象的でした。

自分は一年に700回くらい勉強会に参加しているものの、勉強会の運営経験はまだそこまでなかったので、今後自分でも勉強会を運営してみようと思えるような気持ちになるイベントで、楽しかったです。

*1:スプラトゥーンの話もあった

*2:有料Zoomアカウント+Youtube Live配信準備

*3:純粋に楽しもうと思ってやっている