天の月

ソフトウェア開発をしていく上での悩み, 考えたこと, 学びを書いてきます(たまに関係ない雑記も)

スクフェスから生まれた自分の夢と夢の実現を後押しするコミュニティ

この記事は、スクラムギャザリング&スクラムフェス Advent Calendar 2022の24日目の記事です。

RSGT2023

RSGT2023がいよいよあと18日後に迫ってきました。

自身は3度目の参加になりますが、これまでのアドベントカレンダー記事で素晴らしい話が続々投稿されたり、LAPRASさんがRSGTを盛り上げるイベントを開催してくださったり、びばさんや及部さんやきょんさんがRSGTを盛り上げる事前イベントを立ち上げてくれていたおかげで、例年になく盛り上がっているような感覚があります。

adventar.org

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beyond-hardware-agile.connpass.com

connpass.com

distributed-agile-team.connpass.com

 

また、本当に光栄なことに、RSGT2023では自分も以下の内容でsession speakerとして話をする予定です。
セッションでは、コミュニティが生み出す価値や、価値あるコミュニティがどのように育まれていくのか?価値あるコミュニティを育むためにはどのようなことをしたらいいのか?...を話す予定です。

社内外でコミュニティに携わっている方(特にコミュニティの立ち上げや運営に関わっている人)が素晴らしいコミュニティを育めるようになるセッションを予定しているので、ぜひ足を運んでいただければと思います。

confengine.com

裏番組で話す川口さん牛尾さんきょんさんは、普段のスクフェスでセッションがあったり何かしらの記事が公開されれば例外なく100%拝見する方々なので、今回セッションが見れず本当の本当にものすごく悲しいですが、そんなお三方と同タイミングで話す機会をいただけたことに感謝しつつ、自分のセッションを見に来てくれた方が「悩んだけどこのセッションに来てよかった」と思えるようなセッションにできればと思っています。

スクフェスから生まれた自分の夢と夢の実現を後押しするコミュニティ

さて、ここからはこの記事の本題に入っていきます。
この記事では、自分がスクフェスと出逢ってから現在に至るまでの過程を話すことで、スクフェスと出逢って自分が持った夢の話、そして夢の実現に向けて現在進行形で力強く背中を押し続けてくれているコミュニティの話をしていきます。

スクフェスとの出逢い

自分がスクフェスと出逢った(スクフェスを知った)のは、分散アジャイルチームの会でスクフェス三河の同時試聴会をしたことがきっかけでした。

distributed-agile-team.connpass.com

ここで、自分は幾つかのセッションを参加者の皆さんと同時視聴しました。
そして、以下2つのセッションから特に大きなインパクトを受けました。

confengine.com

confengine.com

1つ目に貼った藤田さんのセッションは、セッションの内容もさることながら、自身と同じ社会人歴の方が堂々と話をし、自身より明らかに多くの知見や経験を持っていることに大きな刺激を受けました。
自分も藤田さんのようになりたいと思うとともに、藤田さんが発していた「自分は負けず嫌いだから...」のキーワードを聞いて、自分も藤田さんに負けていられないという気持ちがわきました。

2つ目に貼ったeroccoさんのセッションは、eroccoさんの人柄に心が惹かれたとともに、「嫌なことはやらない」「できないことはやらない」という話にすさまじい衝撃を受けました。
このときの自分は、仕事で嫌なことを耐えた先に明るい未来があると思っていましたし、できないことができなければ一生次のステップにはいけないと考えていたので、希望が生まれるとともに180度考え方を変えるきっかけになりました。

他にも細澤さんのセッションや及部さんのkeynote、のりっくさんのセッションなども見て、同様に雷に打たれるような感覚を覚えていました。
こんな話が聞けるスクラムフェスって一体どんなイベントなんだろう...?という興味がわき、直後に迫っていたスクフェス札幌2020のチケットをイベント直後に購入しました。

最高だったスクフェス札幌2020

この流れで参加したスクフェス札幌は期待通りどころか期待をはるかに超えるようなカンファレンスでした。

長くなるので一つ一つに細かい言及をするのは避けますが、コーチーズクリニック, セッション, OST, エネルギー溢れる参加者との交流, アジャイル札幌の皆さんとの出逢い...どれをとっても最高でした。
スクフェス札幌が終わってすぐに、RSGT2021のチケットを買いました。

夢が芽生えたRSGT2021

RSGT2021は、きょんさんの発表をまず聞きました。

speakerdeck.com

実はこのとき、きょんさんのことはあまり知りませんでした。
前述したスクフェス三河の同時視聴会を主催されていたので認知はしていたのですが、仕事で何をしているかなどは分かっていなかったのです。

しかし、この発表を聞いて、またしても雷に打たれるような衝撃を受けました。
何から何までが衝撃だったのですが、

  • 自分が衝撃を受けて学んでいたアジャイルをunlearnし、アジャイルの次の世界をすでに見据えていること
  • ソフトウェア工学の歴史を作ることを目標にしていること
  • PJごとに組まれPJが終了すると同時に解散するチームではなく、生涯や人生をともにすることを前提にチームを組んでいること
  • 所属しているメンバーのレベルが恐ろしく高いこと

は特に衝撃が強かったです。
セッションを聞いた自分は、いつか47機関(=きょんさんが所属するチーム)で働いてみたい、あるいは47機関を超えるようなチームで働いてみたいと思いました。

しかし、システム開発の経験が非常に浅く、アジャイルも学び始めたてだった自分にとってあまりにも遠い話ですし、今の自分にそんなことを口に出す資格はないと思いました。
このときセッションのメモを書いていたのですが、いつか47機関で働いてみたいという想いは一度書いたものの消しました。

qiita.com

そんなこんなで時は流れ、オンライン懇親会の時間が来ました。
そこでは、小笠原さんとのりっくさんが主催していたとにかく知り合いを増やす会や、Discordでの懇親会に参加したのですが、きょんさんの発表であった「いきいき」をみなさんが体現していることに驚きました。

元々知り合いも全然いなかったのですが、なべさんが話の輪にいれてくれたこともあって、色々とお話をすることができました。
いきいきとした皆さんと話をしていて、きょんさんのセッションで自分の心からも記事からも消したことをもう一度思い出しました。

そうして、「いつか47機関で働く or 47機関を超えるようなチームで働く」という夢ができました。
幼少期(4歳)に一瞬抱いていた、「お金をたくさん寄付して世界のみんなを幸せにしたい」以来の夢でした。

スクフェス&コミュニティめぐり

当時の自分は、アジャイルの知識が浅かったことはもちろん、いわゆる"上流工程"や運用保守に携わることが多くてコードをほとんど書いたことがなく、gitも使えませんでした。
そのため、夢に向かうためには、とにかく勉強が必要でした。

あまりにも途方もない道のりに思えましたが、そんな自分を支えてくれたのはスクフェス、そしてコミュニティでした。
「テストの勉強方法をなにか教えて下さい」「技術力を上げるにはどうしたらいいと思いますか?」「開発者として読んだ本がいい本はありますか?」「スクラムってどうやったらできるようになりますか?」などなど、ど素人丸出しの質問を繰り返していましたが、出逢った皆さんは「そんなのも知らないの?」「そんなの自分で考えなよ」という態度は微塵もみせず、丁寧に教えてくれました。

こうしてコミュニティやスクフェスに参加しながら、皆さんから教えてもらった本を1ヶ月100冊〜300冊のペースで積み、ご飯の時間やお風呂の時間も含めて起きている時間はほぼすべて勉強をし続けました。

仕事への取り組み方もまるで変わりました。
アジャイルコーチもいないし、スクラムの実戦経験がある人が0のチームだった上に、規制産業だったり受託開発だったりと、スクラムをやるには諸々厳しい条件が揃っていましたが、本や記事、動画、Podcastなどでとにかくインプットをして、コミュニティのOSTスクフェスのセッション視聴で足りない実践経験を補い、試行錯誤を仕事で繰り返しました。

また、コミュニティに少しでも恩返しができればと思い、スクフェスにプロポーザルを出して登壇をし始めました。
プロポーザルを出すにあたっては、ここでもコミュニティの皆さんに手伝ってもらいました。何度も登壇経験がある方からいろいろなフィードバックをもらいながらプロポーザルを書いたこともあって各地のスクフェスで登壇を続けることができました。

叶えたい想いが増幅される夢

こうして勉強をしている間にも、「いつか47機関で働く or 47機関を超えるようなチームで働く」という夢は強くなりました。

47機関の話をきょんさん以外から聞いたり、いろいろなスクフェスやコミュニティのイベントできょんさんやbleisさんが47機関の話をしているのを聞いて、想いがどんどん増幅されていったのです。

特に、スクフェス大阪2019できょんさんが47機関の歴史について話した基調講演の再演を見たときには、47機関が歩んできた道とその過程で得たもの、ソフトウェア工学の歴史を作るという目標が生まれた経緯を聞いて、涙が止まりませんでした。

RSGT2022

そうしているうちに、RSGT2022を迎えました。

1年前に夢が芽生えたRSGTに再び参加することは想像通りでしたが、一つ嬉しい誤算がありました。

なんと、RSGT2022にはsession speakerとして参加することができたのです。
1年前のRSGT2021での自分を考えるとこれはとても想像ができなかったことでした。
発表はめちゃくちゃ緊張してうまくいかなかったところもたくさんありましたが、すごく幸せでした。

そして、初めてオフラインでイベントに参加して、参加者の熱量に驚きました。
RSGT2021で感じたいきいきを、そこら中で感じました。本当にたくさんの方とはじめてオフラインでお話しました。
ブログにも書いたのですが、とにかくめちゃくちゃギャザリングしました。これまでの人生の中でも経験したことがない感覚で、スクフェスやコミュニティの素晴らしさを体感できましたし、最高に楽しめました。

aki-m.hatenadiary.com

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RSGT2021に参加して、たくさんの人とギャザリングして、自分がスクフェスやコミュニティに支えられてきたことを改めて自覚しました。

社内での変化

こうしてRSGT2022が終わって、普段の仕事に戻ったのですが、社内でも思わぬ変化がありました。
RSGTは社内で正式に承認プロセスを取ったりせず勝手に話してしまったので*1社内には誰も伝えていなかったのですが、さすがにRSGT2022の知名度もあって一部の人には自分が話をしていたことがばれていました。

発表の内容的にも、極めて恣意的に捉えようとすると会社を批判しているとも言える話だった*2ので、何かしら注意されることを覚悟していたのですが、自分に声をかけてくれた全員が自分の発表をたたえてくれたり、今後も発表を続けていきなさい、と背中を推してくれました。

更にそれにとどまらず、アサインの切れ目だった1月には、普通に仕事をしていて話すことがないようなレイヤーの方々や経営層の方々が複数人自分と面談する機会をわざわざ設けてくださり、自分が今後どうしたいか?という希望を真摯に聞いてくれました。
「これからのキャリアでずっと一緒に働けるようなチームに所属して、チーム開発したたい」「これまでWebシステムもモバイルもクラウドも全然触ったことがないけれど、技術の幅を広げたい」「ドメイン知識が評価されているのはわかっているけれど一旦その知識を活かした領域からは離れたい」などなど、会社視点ではめちゃくちゃ受け入れ難いお願いをしましたが、自身のアサインを白紙にした上で会社の全PJを探して、自分の希望が満たせる可能性がある環境を用意してくれました。
更に、社内カンファレンスの企画や自身を支えてくれているコミュニティとのタッチポイントの設定など、PJ外でも自分がやりたいことをやらせてくれることになりました。

こうして対応していただけたことはめちゃくちゃ感動しましたし、本当に心から感謝しかないです。

再びスクフェス&コミュニティめぐり

こうして社内外で色々あったことも追い風になり、夢を叶えるために2022年も引き続きコミュニティやスクフェスを社外では巡っていきました。

特にスクフェスでは、初めて45minのセッションを話したり、90minのトラックキーノートを経験したり、スクフェス参加者のほとんどが聞くDay0で話したり、2021年よりも更に濃い経験をさせてもらいました。

コミュニティやスクフェスに参加するたびに、たくさんの方から学ぶ原動力となるエネルギーや知識をいただいた結果、学ぶことはどんどん楽しくなり、ペースも2021年よりも加速していきました。
特に、2021年から引き続きパーソナル・コーチングをspring.Akiさんにしてもらい続けたり、メンタリングをさとりゅうさんにお願いすることができたのは自分にとって大きな出来事でした。

得たものや学んだことはその他にも本当にたくさんあるのですが、多すぎてここには書ききれないので、詳細は先日書いた2022年のふりかえり記事に譲ります。

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いよいよRSGT2023

そうして走り続けてきた2022年ももう一週間で終わり、あと18日でRSGT2023が開催されるところまで来ました。
冒頭にも書きましたが、本当にありがたいことに自分はRSGT2023もsession speakerとして参加することができる予定で、とても楽しみです。

そして、昨年に引き続き、今年も嬉しい誤算がありました。それも、昨年よりも更に嬉しい誤算です。

その誤算とは、RSGT2023のプレゼンを47機関のメンバーとして迎える予定であることです。
RSGT2021で生まれた夢は、2年の期間を経て叶うことになりました。

RSGT2022で話すテーマは、自分の夢を叶えることを後押しし続けてれくれたコミュニティです。
自分と自分の夢を支え続けてくれたコミュニティの皆さんの前でコミュニティの話ができること、そしてその話を47機関のメンバーとしてできて、本当に幸せです。

新たに生まれた夢

改めての報告ですが、12/1からデロイトトーマツコンサルティングに入社しました。
12月中は研修などをしつつ少しずつ仕事に着手という感じで、来年からは47機関に入関(?)して働いていく予定です。

さて、こうして大きな夢が叶った自分ですが、これで夢がなくなったわけではありません。

自分の今の夢は、47機関のチームメンバーとして、ソフトウェア工学の歴史に47機関の名を刻むことです。

これは本当に実現が難しい夢だと想いますし、自分の人生をかけて臨む夢になるかもしれません。

でも、47機関の現在地やコミュニティの力を知っている自分は、その内実現することになる夢なんだろうと勝手に思っています。

47機関に入れる予定であることが分かってからしばらくした今でも、まだ現実を信じられない状態で、今こうしてブログを書いているのも夢なんじゃないかと半分くらい本気で思っていますが、今は本当にわくわく感がすごくて、とても幸せな気持ちです。

 

 

記事は以上です。

本当は、47機関として今後やっていく抱負や転職の細かい経緯なども書きたかったのですが、記事が長くなってしまうので、こちらは別の機会に改めて整理してお話できればと想います。

あと、例のやつを最後に貼っておきます!

www.amazon.jp

*1:自分は会社や運に恵まれていたのですが、これは会社とのトラブルに発展する可能性もあり、絶対に真似しないほうがよいです

*2:当然そのような意図は発表に一切ありませんでした