天の月

ソフトウェア開発をしていく上での悩み, 考えたこと, 学びを書いてきます(たまに関係ない雑記も)

Qiita Night~エンジニアリングマネジメント~に参加してきた

increments.connpass.com

こちらのイベントに参加してきたので、会の様子と感想を書いていこうと思います。

会の概要

以下、イベントページから引用です。

本イベントは、日本最大級(※)のエンジニアコミュニティ「Qiita(キータ)」を運営する当社が実施するオンラインのテックトークイベントです。

イベントごとにテーマを設け、技術についての知見を共有し合うQiita Nightを実施しています! Qiitaトップコントリビューターを中心に、テーマについて深い知見を持っている方にご登壇いただき、LTをしていただきます。

これを機に登壇者とも繋がり、気軽に情報交換や質問ができる場を作りたいと考えています。 イベント中の質問やご意見も大歓迎!関心のあるテーマの知見を深めるきっかけとしていただければ何よりです。

※注釈:「最大級」は、エンジニアが集うオンラインコミュニティを市場として、IT人材白書(2020年版)と当社登録会員数・UU数の比較をもとに表現しています。

会の様子

LT①「若手エンジニア成長支援No1企業を目指して」 by中野 ヤスオさん

まずはARアドバンストテクノロジの中野さんから発表がありました。

ARアドバンストテクノロジさんでは、中堅以上の人たちももちろん大切だとは思いつつも変化が早い領域では若い人たちの活躍/成長が不可欠だと考えているそうで、どのような取り組みを若手向けに行っているか?という話を聞いていきました。

具体的には、

  • 最初の一歩のハードルを下げる(3dayインターンや若手向け研修として、実際に手を動かせる機会を豊富に提供, ベストプラクティス群をまとめて提供)
  • 他者関与の機会を増やす(インストラクションデザインの考え方を応用して学習共同体(教え合う機会を作り、横軸縦軸でつながる共同体)を構築、他部署や社外の人と関わる機会を外部研修という形で提供)
  • バランス良く学ぶ(技術だけではなく管理職研修を管理職になる前の段階で受けてもらう)

といった取り組みを行っているということでした。

LT②「エンジニアリング組織の隙間を埋める「委員会制度」について」 by丹羽 大智さん

続いて、Relicの丹羽さんから発表がありました。

Relicでは職能ごとの事業部制を採用しているため、事業部の部からPJを構成するようにしていたそうですが、どうしてもスキマ(部の人数が少ない場合、PJによっては専任者がいない)ができてしまったそうで、このスキマを埋めるために委員会制度を立ち上げたということです。

委員会制度を立ち上げたことで、担当者が明確になったり、責任者や専任者が強いリーダーシップを持ったりといった当初想定していた効果に加え、他領域への興味拡大や能動的な動きがどんどん発生するといった効果もあったそうです。

一方で、開発者の負担が増加したり、スキマが小さくなったとはいえ完全になくなることはなかったということで、このあたりは課題として受け止め、現在進行形で課題解消に取り組んでいるというお話でした。

LT③「タクシーアプリ『GO』のエンジニア組織づくり」 by待鳥 了さん

続いて、Mobility Technologiesの待鳥さんからお話がありました。

Mobility Technologiesでは、事業×部門という形で組織づくりをしているそうですが、部が別れていたとしても、組織の人間の間で相互理解を深める機会を作ることを大切にしているということで、オフラインで「今後どういうことをやっていきたいか?」という話をし合うような時間を作ったりしているという話がありました。

また、組織づくりの施策も幾つかされているそうですが、

  • シャッフル1on1(チームの結束力が高まる)
  • デスクツアー(お互いがどんな感じで仕事をしているのか理解を深めるために、自宅のデスクを公開する)

の2点は特に社員から好評だったそうで、互いのことに感心を持って認め合い高め合う仕組みづくりの重要性を実感したということです。

LT④「横軸チームとOKR」 by 青柳 康平さん

続いて、ユニークビジョンの青柳さんから発表がありました。

社内の横軸チームとして活動しているワーキンググループのお話で、以下3つのワーキンググループが紹介されていました。

  • 品質向上ワーキンググループ(名前の通り品質を横串で担保する)
  • レビュー改善(社内のレビュー文化の定着を行う。他のPJの人がレビューすることで、知識の流動性が上がったり、レビューしてもらう側もコードを見慣れていない人に説明することでコードの理解を進める)
  • DevOps(DORAメトリクスの向上を進める。自動テストサポートなども担う)

また、このワーキンググループはPJと同じようにOKRで管理しているということです。
ワーキンググループを作ることで、エンジニアが技術的課題を普段のPJとは別に解決する機会を得られているということで、エンジニアの仕事に対する満足度も上がっているそうです。

LT⑤「EMの役割とは何か、TLやICの役割と合わせての考察」 by佐藤 正大さん

最後に、ビットキーの佐藤さんから発表がありました。

  • あるもの(ある役割)が何であるかを考える際には、何でないかを考える方が良いと考えている
  • Googleのソフトウェアエンジニアリングに書かれているようなことをバックグラウンドとする

の前提のもと、EMのキャリアパスやEMとは何か?について考えていく発表でした。

まず、Tech LeadとEMは二人三脚で歩むという話から、「TLがやる仕事以外」をEMが担うようなパターンが基本パターンとしては望ましいのではないか?という話がありました。

次に、基本パターンから一歩進んだ応用パターンとして、

  • Tech Lead Manager(Tech Lead Managerは難度が高く、メンターの存在が非常に重要になるため、社外も含めてメンターをつけることが重要)
  • ピープルマネージャー&シニアなTech Lead(組織が大きい場合に取る。大きいかどうかの判断は、ダンバー数などを参考に行う)

というパターンもあるのではないか?という話が出ていました。

会全体を通した感想

組織の規模や施策が多種多様だったため、非常にバラエティーに富んだ発表になっていて、LT会らしい楽しみ方ができるイベントで、非常に楽しかったです。

社内外に関わらずつながりにフォーカスした発表をされている方が多かったのも、印象的でした。