こちらのイベントに参加してきたので、会で印象的だったことと感想を書いていこうと思います。
会の概要
以下、イベントページから引用です。
「アジャイル開発」をテーマに、エンジニア、プロジェクトマネージャー、プロダクトマネージャーがそれぞれの立場で実践から得た知見を共有します。 アジャイル開発に関わる方が、自分と同じ立場や異なる立場からのさまざまな視点を得て、明日からすぐご自身の業務に活かせるような発表の場にしたいと考えています。
会で印象的だったこと
LT1〜1on1から始める組織作り〜
Nulabに入りたての中道さんから、自己組織化が進み個々のレベルが非常に高い状態でマネージャ職になった際にどんなことをしていったのか?というお話を聞いていきました。
問題の発見と信頼の獲得をまず最初にしたいと考えた中道さんは、タイトルの通り最初に1on1をしていったということですが、1on1の議事録を(もちろんメンバーの合意を取った上で)組織全体に公開するというかなりチャレンジングな取り組みをされていたので、その結果起こった話を聞けたのは面白かったです。
自己組織化された組織では共通の課題がメンバーから出てくる可能性は低いという話や、メンバーが見つけられていないような大きな課題を探すのが大事だという話は、非常に納得感がありました。
LT2〜越境による、価値を届ける自律的なチームづくり〜
エンジニアがPOへ越境*1することで得られるメリットや、具体的な越境の実装方法を聞いていきました。
実装方法としては、ディスカバリープロセスをリードする「epic大臣」を置く方法を紹介してくれていたのですが、POの負担を減らせつつチームの自己組織化を進める&プロダクトへの当事者意識が高まるような取り組みになっていて、印象的な内容でした。
epic大臣の取り組みも含め、one teamで機能開発ができる大切さ(自己組織化したチーム編成をすること)を改めて実感する発表でした。
LT3〜必要なのはリードであってリーダーシップではない〜
15年以上ウォーターフォールで開発していた大道さんが37歳でアジャイル開発に出会ってリーダシップについて考えたことを聞いていきました。
SanSan(Bill one)では3L(プロダクトリード, テックリード, アジャイルチームリード)という3種類のリーダを立候補制で選んでいるということだったのですが、その中でもアジャイルチームリードに立候補したそうで、アジャイルチームリードで得た経験と学びを聞いていきました。
なかなか話しにくいリアルな失敗談をベースにしながら、ウォーターフォールにガッツリ浸かったからこそ戸惑いがあった部分の話を聞くことができて、元々ウォーターフォールを経験していた自身にとって共感が強い内容になっていました。
Q&A
思惑通りプロジェクト運営ができず終わってしまった場合はどうするか?
中道さん/坂口さん/大道さん御三方ともふりかえりを活用するということで、定期的にふりかえりをしてうまくできなかった問題を分析していくということでした。
(大道さん向け質問)リーダー制が重複した場合は?
チャレンジ精神が多い&周りをサポートする文化が形成されているということで、チーム全員が大道さんのチームではリードに立候補したそうです。
こうした時は、チームの中で誰をリードにするか話し合いをするそうですが、一度落選したとしてもリーダーの道が閉ざされるわけではなく、実際大道さんも2度目の立候補でリードになったそうです。
POやPMに権限が集中しすぎないようにするための施策は?
横串チームを形成しているということです(例えば認証チームなど...)
1on1のメリットや必要性を周囲に伝えるためには?
説明するのではなく、許可を取らずにもう実施する。やってみれば必ず賛同者は現れるはずだと思っている。
ディスカッション
以下、出ていた話を箇条書きで書いていきます。
アジャイル開発で苦労したこと
- チームの人数がスケールした結果、議論が活発に起こらなくなってきていること。少人数でスクラムイベントが回せるようなチーム体制を敷くようにして対策をしている。また、チーム間の関係性が希薄になってしまっているので、チーム間の1on1を実施している。
- 人数が増えると、分割していくのにものすごくエネルギーがいる。
- 正しいチームのあり方が何かわからない。(自己組織化が進んでいる状態だからこそなおさら)
- 5名->50名に人数が増えたこと。
アジャイル開発のリーダーに必要な資質
- 何かを決めて動くこと
- (プロダクトマネジメントの文脈で)何かを決めること
- 課題を見つけるという意味では、協力関係を築いていく姿勢が大事だと思っている
- 1on1
会全体を通した感想
バックグラウンドも組織規模なども全然違う御三方の視点からリーダーシップについて話を聞くことができて、楽しかったです。
アクシデントもちょこちょこありましたが、スムーズに運営されていて、参加していてストレスがないイベントでした。運営/登壇者/参加者の皆さん、ありがとうございました。