イベント概要
以下、connpassnのイベントページをまとめたものです。
Rettyは2019年4,800万UUを突破し、現在は日本だけではなくグローバルにも展開しているプロダクトです。
2020年10月にマザーズ上場をし、組織としてもプロダクトとしても急成長しているフェーズになります。
そんなRettyのプロダクトや会社における裏話を発信していくのがRetty Beer Bashです!!
Retty Beer Bash第8回目は「アウトカム志向な組織になるためのプロダクトオーナーの取り組み」です。
VPoP・エンジニアマネージャー・PMの3名が各々プロダクトオーナーとしての目線から、
アウトカム志向な組織になるための取り組みについてざっくばらんにお話しする会です!
毎年12月に書いているRettyアドベントカレンダーの内容なども振り返りつつ、Rettyのリアルな現状やどういった工夫をしているのかなどを知っていただける機会になっています。
- 優先順位の決め方
- ゴール設定の仕方
- 既存を回しながらどうやって新しい価値を生み出していくか
イベントで話されていたこと
アウトカムが共通言語に
ryuzeeさんが翻訳されたプロダクトマネジメントが転換期となって、組織レベルで目標が大きく変わり「8つの機能をリリースすること」のようなアウトプットベースの目標が、「顧客が個室でゆっくり楽しんでもらう」といったアウトカムベースの目標に変化したということでした。
まずは野口さんがアウトカムという言葉を掲げた上で*1、社内で読書会をしたり、slackのスタンプでアウトカムスタンプを作ったり、全社会議で代表的なアウトカムを毎週表彰したり、開発のベストアウトカムを表彰したりと、日々のプロセスに日常的にアウトカムが組み込まれるようになったということです。*2
PMの育成
ディスカバリー力*3、意思決定*4、推進力*5、最後の砦*6、英知*7にPMのスキルを抽出し、PM志向のメンバーについてはそれぞれの特性に応じてどのようにこれらのスキルを挙げていくかすり合わせし、育成をしていったということでした。
なお、上記のスキルにはエンジニアとしての要素は含まれていませんが、toCというビジネス特性上、PMに求められるスキルにエンジニアとしての素養がそこまで必要でない*8というコンテキストがあるようです。
進め方おかしくない?がふりかえれるようになった
元々はWhy/What/HowをPMが決めていたということですが、Howはエンジニアが、WhatはPMとエンジニアが、WhyはPMが決めるという風にエンジニアとPMがこれまで以上に協働できるようになったということでした。
この結果、エンジニアの当事者意識が向上し、モチベーションアップにつながったということです。
また、Whatをエンジニアが考えられるように一次情報に早くエンジニアが触れられる工夫を意図的にされたということです。
バックログの一本化
現状はバックログが3本ある*9ということですが、これを今年一本化することを試みているそうです。
元々はバックログが分かれるのはある意味仕方がないと割り切っていた部分があったものの、Go To Eatキャンペーンを開発メンバー全員でスウォーミングして当初想定よりも大幅に早くリリースした経験をしたことで、Lessによって生まれた連動性を実感し、バックログの一本化に現実味が出てきたということです。
大規模PJを少なくしてディスカバリーしたい
大規模PJを続けた結果、PMが要件定義やプロジェクトマネジメントに多くの時間を割くようになり、ディスカバリーに時間をさけなくなってしまったということです。
そのため、今年はよりディスカバリーに時間を割けるように、大規模PJの数を調整したり要望をただ受けて開発すると言ったアウトカムからは遠い開発は行わないことをやっていく予定と話が出ていました。
こんなPMを採用したい
飲食業界は現状かなり厳しい状態にあるということですが、その中でも行動変容が起きていたり、DXが進んでいなかったりと市場のニーズは確実にあり、ビジネスをスケールさせていくことがまだまだできると考えていると話がありました。
そのため、プロダクトディスカバリーにアンテナがあるような人材や中長期的な顧客のインパクトを因果関係を繋げながら考えていくようなPMの採用を積極的にしていきたいということです。
イベント全体を通した感想
教科書的な話ではなくリアルな事例を多数聞けることを期待して参加したので、会のパネルディスカッションやチャットでの質疑応答を通して多数の実例を知れて、個人的には期待通りのイベントでした。
勉強熱心な上に、できていないことを素直に受け止めて改善するというのが組織レベルでできているのが本当にすごいと思いました。