自分自身、これまでのキャリア*1の中ではドメインエキスパートとして*2の仕事をする時間が多かった*3のですが、社内の様々な人のキャリアを見たり社外の人のキャリアを調べたり聞いたりしていくと、このキャリアパスが結構特殊だなあと感じたので、キャリアパスを歩んだ経緯や、ドメインエキスパートとして活動して良かったことや悪かったことなどを書いていこうと思います。
ドメインエキスパートとしてやっている仕事
ドメインエキスパートと言っても、定義がふわふわしているので、具体的にどんな仕事をしているのかを先に書いておきます。
プロダクトの方向性を決める
市場のトレンドやドメイン知識を基に、今後プロダクトにどのような機能があるといいのかや、重要性が増してくるであろう機能をマネージャーに説明し、プロダクトの方向性を決める際の参考にしていもらいます。*4
ドメイン知識の説明をユーザに行う
ユーザに、今後業界にどういった変化が起こると予想されるのかや、インターネットや文献ではあまり出回っていない知識や考え方について説明をします。*5
説明だけが仕事として完結することもありますし、次案件のインプットのために説明をすることもあります。
チームに知識を還元する
チームにドメイン知識を還元し、開発のインプットとしてもらいます。
将来起こると予想される変更や、機能改修時に関連する機能はどんなものがあるか...をアドバイスします。
また、ユーザとの会話を通して決まった仕様をチームに説明したり、ユーザーストーリーの作成を手伝ったり、バックログの並び替えをしたりもします。*6
通常業務のサポート
仕事の都合上、ここはあまり具体的に書けないのですが、ユーザは定型的な作業を行うのではなく、リアルタイムで取るアクションが変わってくるので、そのサポートをします。
純粋にドメイン知識だけを利用してサポートすることもありますし、ドメイン知識に加えてシステム的な観点も踏まえてサポートをすることもあります。
ドメインエキスパートになった経緯
キャリアをスタートして1年半くらいはスクリプトテストのテスターとして殆どの時間をテスト打鍵に費やしていたのですが、このままいくとまずいという危機感*7から、テスターとして働きながら、テストに関連すると思われるドメイン知識を本だったり、実際に学会に行ったり、知り合いのつてを辿ってドメイン知識を持った専門家の人に話を聴いて、少しずつドメイン知識をつけていきました。
その後、緊急時にユーザと会話したり、ドメイン知識がついたことで見つかるバグを報告したりしていくにつれ、徐々に社内外でドメインについて質問を受ける機会が増えてきて、成り行きとしてドメインエキスパートのキャリアを歩み出しました。*8
ドメインエキスパートになって良かったこと
ユーザとの会話を通してプロダクト作りに貢献できる
より価値のあるプロダクトを作りたい、という想いは入社した当初から強く持っていたので、ユーザとの会話を通してプロダクト作りに貢献できるのは非常に働き甲斐を感じられて、ドメインエキスパートになって良かったと感じます。
様々な仕事に携われる
これは会社にもよると思いますが、ドメインエキスパートになったことで、全ての開発工程に携わることができたり*9、コンサルタント的な仕事を経験できたりと、幅広い仕事を経験できたのが良かったです。
ドメインエキスパートになって困ったこと
他ドメインへのチャレンジが難しい
自分の場合、転職だったり部署異動が積極的に考えにくくなってしまいました。
PMやエンジニアと比較すると、持っている知識は大分固有なものが多いですし、知識のキャッチアップのために多数の時間を投資しているため、経験している内容に汎用性を上手く見いだせず、苦労しています。
以上になります。
文章に起こしてみて、まだ書き起こしたいけどもやもやして書き出せなかった部分や、解像度が粗い部分が見つかったので、機会を見つけて改めて整理してみようと思います。