天の月

ソフトウェア開発をしていく上での悩み, 考えたこと, 学びを書いてきます

「(オンライン読書会) チームワークの心理学 エビデンスに基づいた実践へのヒント」に参加してきた

educational-psychology.connpass.com

こちらのイベントに参加してきたので、会の様子と感想を書いていこうと思います。

会の概要

イベントのタイトル通り、「チームワークの心理学」という本を参加者の皆さんで読んでいくという会です。

学びと心理学のコミュニティということもあり、知識構成型ジグソー法で進めていきました。

会で印象的だった議論

ふりかえりに必要な要素

ふりかえりに必要な項目として、「曖昧さへの寛容」というのが挙げられている研究があり、これは一体どういう意味なんだろう?ということを話していきました。
あるチームメンバーがわからないことがあった場合に皆がフォローするという意味ではないか?とか、チーム全体でわからないことがあることを恐れないことではないか?とか、曖昧な事実は曖昧なままに進めることで後続で理解できる瞬間を待ったり*1、曖昧さを認めないことによってチームで起きていることを過度に単純化してしまい、変なバイアスがかかった結論を出すことを防いでいるんじゃないか?といった意見が挙がっていました。

タスクのふりかえりと社会的なふりかえり

タスクのふりかえりと社会的なふりかえりという2分類が本書ではされていましたが、この分類はなぜされているんだろう?どういう分類の仕方なんだろう?といった話が挙がっていました。
チームのウェルビーイング的な話とタスクが順調に進んでいるかの話は混同せずに分けて考えた方が良いので、混同しないように意図的に分けているのではないか?という話だったり、分けて考えるのは大事だけど、タスクが安定していることがチームのウェルビーイングに繋がるのではないか?という考えが生まれたりしていて、どちらも納得がいく解釈だったので面白かったです。
個人的には「正しいもの(社会的に意義があるもの)を作れるか」と「正しい作り方をしているか?」を区別しやすくするためのフレームワークなのかな、という考えも浮かんでいました。

チームの分類

チームのタイプ分けということで、Woods and West(2010)の研究が紹介されていました。
分類自体に対する懐疑的な意見(グルーピングしてしまうことで重要な情報がそぎ落とされてしまわないか、現実に即していないモデルになっていないか?)もあれば、自分たちのチームはどのタイプに分かれているんだろう?という話や、職能とチームのタイプの関係性についての意見など、色々な意見が出ていました。
本書&本勉強会を通して、安易に分類する危険性だったり、分類した結果をどう活用していくのか、ということが学べたのは個人的にはとても大きい収穫でした。

KSA

チームで活動するメンバーが持つ資質として、KSAという指標(?)が定義されていました。
これが採用活動に使えそう*2という話だったり、チーム全体のKSAみたいな捉え方はできるのかな?という話だったり、チームの多様性がKSAを育むのではないかという話だったり、参加者の皆さんから色々な活用方法が考案されていたのが印象的で、まさに学びのコラボレーションが起きている感じがして素敵でした。

馬田さんのスライドにも、まさにこの本の話が載っていて、合わせて読むことで参考になりました。

www.slideshare.net

全体を通した感想

いつも通り、少人数に分かれて活動・議論することで高い密度で理解を確認し合えるので、楽しくて有意義な時間を過ごすことができました。

本も筆者の意見がほとんどなく、多数の研究結果が紹介されているような本だったので、「この研究結果はどういうことを指し示しているんだっけ?」とか「この研究結果ってこういう解釈もできる?」といった議論がはかどり、読書会向けの本だなあという感想を個人的には強く持ちました。

自分が思ってもいなかった解釈を多数聞くことができて、いつも通り最高の時間でした!

*1:結果的に仕事も早く進む

*2:ソニックガーデンさんは実際に使っているということです