天の月

ソフトウェア開発をしていく上での悩み, 考えたこと, 学びを書いてきます(たまに関係ない雑記も)

スクラムフェス大阪2021の全セッション感想

先日開催されたスクラムフェス大阪の全セッションを、ようやく見終わったので、一言ではありますが、感想を書いていこうと思います。
参加者向けセッション録画 Zoom URLが公開されていたのは7/27 0:00まででしたが、一部セッションは登壇者がyoutubeに上げていたので、7/27までにyoutubeに上げられていない動画を先に全て見ていました。
その後、ようやく今日youtubeに上げられている動画を見て、全セッション見終わることができました!

www.scrumosaka.org

どれも本当に素晴らしいセッションで、改めて素敵なカンファレンスだったな、というのを実感しました。

Keynote

Mitsuyuki Shiibaさん [誰も嫌な思いをしない変化]

keynote、心に響く内容でした。
椎葉さんの発表はリアルタイムで初めて聴いたのですが、一言一言に優しさがあって、これまで自分が感動を受けたときとは違った質感を感じました。
今までは、ぐさっと来るような感覚や、ずしんと来る感覚が強かったのですが、椎葉さんの言葉は一言一言が自分の中にふわっと入ってきて、身体を軽くしてくれるような感覚がありましたし、一言一言を聞くたびに、また次の一言が自然と聞きたくなるような感覚があって、感動しました。
発表で共感ができた部分も多かったですし、誰も(勿論自分も)嫌な思いをしない変化、というフレーズやスクラムという言葉に拘る理由については、学びがあったと同時に、椎葉さんらしい言葉だなあと思いました。
前述したように今回初めて椎葉さんの発表を聴いたのに、それでも椎葉さんらしいと心から思えたのは、不思議な感じです。

大阪トラック

Kei Nakaharaさん [老舗メーカーにみんなでアジャイルを導入してみました ~「俺がやる!」から「みんなでやる!」に至るまで~]

冒頭のネタがww
中原さんがどのようにしてアジャイルを広めたのかという話は、分散アジャイルチーム、製造業アジャイルに続いて3回目になりますが、何度聞いても凄い話で、これだけの規模の会社で、0からここまでアジャイルを広めたことには驚きを隠せません。
企業のコンテキストを汲みながら組織変革をしていくというお手本的な話で、アジャイルを広めていく責務を負っている方々のために、いつでも見れるように動画化しておいて欲しいと思えるセッションです。
何回聴いても面白い話ですが、ちょこちょこと発表の旅にアップデートが入っていて、その変化を見られているのも個人的には楽しむことができた発表でした!

Yotaro Takahashiさん [もしもエンジニアリングマネージャーが1年間のワンオペ育児をすることになったら]

面白く聴ける発表で学びがありましたし、日常生活を過ごすだけでもこれだけたくさんのことを考えられたり仮説検証できたりするんだな、という気づきを得られたのが、個人的には一番大きかったです。
コンロのリファクタリングバッチ処理してまな板の上がいっぱいになる在庫の無駄がよく発生する...つぼにはまる表現も多く、笑いながら聴けて、でも学びがある発表でした。
高橋さんの発表の上手さも勿論あるのですが、エンジニアリングの楽しさ、というのを伝えるのに、日常作業という題材はすごい効果的だなあと思って聴いていました。

Takahiro Kaneyamaさん [スクラムマスターこそ考えたい、言葉のアウトカム]

まず、何と言っても楽しい発表でした。
発表を聴いていて楽しい、と思える発表は数多くありますが、KANEさんのセッションは発表内の仕掛けが見事に重なり合っていて、断トツに楽しさがあったかなあと思いました。
Podcastを通して自分が発した言葉に向き合い、磨き続けてきて、それが土台となって普段のKANEさんのPodcastの一言一言があるのかと思うと、何というか感慨深さを感じてしまいました。
自分自身は、中々自分の口から言葉を発するということには苦手意識が強いのですが、まずはPodcastに限らず、自分自身が発した言葉に向き合う所からスタートしていくといいんだろうな、と思いました。

Shigeo konnoさん [なんちゃってアジャイルコーチが、コーチングを受けて気づいたことを共有します]

発表中で、「アジャイルを広めるからにはアジャイルのことを深く知らないといけない、という風に囚われていた」というお話がありましたが、この言葉を聴いて、今の自分自身がまさにそうなのかな、という想いが溢れてきました。
そして、囚われている状態だけど、囚われたままで楽しむという選択もあるよね、という言葉に二重に揺さぶりをかけられて、一気に発表に引き込まれていきました。
なんちゃってアジャイルコーチだったんだけど、今はコーチングを受けてなんちゃってが取れてきた、という話なのかと思っていましたが、なんちゃってアジャイルコーチでも現場が変わればいいじゃん!という紺野さんのメッセージにいい意味で期待を裏切られました。

Yasunobu Kawaguchiさん [mogiri - オンラインカンファレンスの受付業務を改善するDiscordボットの話を聞いてください]

mogiriはスクフェス開始前から動いていましたが、わくわくさせてくれたり、笑いを誘ってくれたり、大活躍だったと思います。
そのmogiriが作られた経緯や、具体的にどのように活躍しているのか?どんな問題を解決しているのか?というのが、スクフェスの舞台裏が少しずつ明かされながら語られていて、面白かったです。
スクフェスを楽しみたいと思っているスタッフが楽しめないことに問題意識を感じて少しでも楽をしたくて始めた、というお話は素敵でした。

Yoh Nakamuraさん [チームの状況にあったいろいろなタイプのスクラムマスターの見つけ方]

多数の現場を見てきた洋さんだからこそできる価値が高いセッションだったのかなあと思いました。
スクラムマスターと一口に言っても、(スクラムガイドに定義は書いてあるものの)得意なことは人それぞれで、どんな分野でどんな価値が出せるのか、というのは悩むと思いますが、発表があったようなタイプを頭に入れておくことで、価値が発揮しやすい所と落とし穴にはまりやすいことが認知できて、実際に役立ちそうだな、と思いました。

Woohyeok Aaron Kimさん [スプリント期間についての考察 : How to Find The Optimal Sprint Duration]

構造機能主義の話から始まり、チームやプロダクトの特性から、どのようにスプリント期間を決定していくといいのか、なぜスプリント期間に注文くすることで開発をより良くできると考えられるのか、という話がされていて、学びが深いセッションでした。
自分たちのチームの感覚だと、なるべく短い方がいいのかなーという感覚が漠然とあったのですが、このセッションを聴いて、なぜ短い方が合っているのか、というのが理解できて良かったです。
スプリント期間をスプリント毎に変えるという発想は、あまりなかったのですが、このセッションを聴いて実験していみたくなりました。
また、プレゼンがめちゃくちゃ上手で、スライドとキムさんの話が効果的に組み合わさっていて、大変参考になりました。

札幌トラック

Akiko Iwakiri / Junki Kosaka / Yuko Kondo / Noriyuki Nemoto / Ryutaro YOSHIBA (Ryuzee) / Koji Shimada / Tatsuya Sato / Yasuo Hosotani / YUKI TORIIさん [あなたの一歩を後押しした本やあなたの手掛けた本について話してほしい!「旅するAgile本箱」LT #2]

めちゃくちゃ豪華メンバーで行われた最高のセッションでした。どの方の話も超豪華で、それぞれの話を切り出して1セッションにできるような話だったんじゃないかな、と思います。
本の紹介がされて積読が増えるというのは想像していたのですが、それだけではなくて、本を出すまでの舞台裏のお話を聴くことができたり、翻訳作業の裏側を知れたり、本を読んで得られた素敵な気づきの話を聴くことができたり、超濃密な90分間を過ごすことができるセッションでした。
「旅するAgile本箱」が本当に素敵なコンセプトで、是非活動の輪が全国各地に広まればいいなあと心から思いました。

Tsukasa Yokoyama / Koichi Yanagimotoさん [俺たちのDiRT - 継続的な訓練と振り返りで障害対応力をUPしよう]

笑いがありながら学びがある中々強烈なセッションでした笑(横山さん真面目そうなのにめちゃくちゃ面白い笑)
障害対応力を上げるための取り組みをかなり具体的に説明してくれていて参考になったのは勿論ですが、障害が起きた時の対応が向上するという効果だけではなく、障害訓練を通してシステムの耐障害性の向上に繋がったりエンジニアのスキルアップに繋がったり、チームの自信に繋がったと、様々な副次的な効果があったのは面白いなと思いました。

Chiyo Kamitokusari / Takuto Okunoさん [探究心×スクラム ~もっとうまくやるにはどうしたら良い? から始まるスクラム開発~]

優しい発表スタイルの影響もあったのか、一言一言に重みがあって、厳しい状態から一歩一歩進んで良い方向に進んでいる様子が伺えて、勇気をもらえるセッションでした。
話の中では、さらりとすごく厳しい状態が話されていたのですが、そんな状況でも愚直にやるべきことをやっている様子が伺えたのが素敵でした。
クライアントとの信頼関係の構築の仕方であったり、悩めること自体が素敵なことだ、という話は特に心に残りました。
奥野さんがすごく堂々と発表をされていて、優しい口調のChimoさんとのコラボレーションで、印象深さが増して、心に刺さるセッションでした。

Yutaka Nakanoさん [アジャイルなアナリストの道具箱:『概念マップ』で要件のバグを見つけよう!]

概念マップの紹介と概念マップが有効な理由、実際に概念マップを用いたエクササイズを見ることができました。
短い時間で、概念マップの魅力をぎゅっと詰めて、分かりやすい具体例と共に伝えてくれて、学びがあるセッションでした。
新規参入者のドメイン知識向上や、改修対象のドメイン知識整理といった場面で、実際にチームメンバーと概念マップを使ってみようと思います!

三河トラック

Takao Oyobe / kyon _mm / Mori Yuya / Toshiharu Akimotoさん [Deep Dive Experts - 達人が見ている世界を覗いてみよう]

普段木曜日の夜にやっている、様々なテーマに対して多種多様な視点で深く潜り込んで雑談するというセッションです。
毎週聴いているような雰囲気だったので、リラックスして聴くことができました。(自分自身の発表当日に唯一自然体の感覚で聴けたセッションでした)
タイトルの通り、一つ一つの視点に対して、教科書的な回答ではなく、深く深く考えて(あるいは深く深く過去に考えた思考過程を)4人が回答してくれていて、自分が普段聴いていて心地よい&最高に面白い皆さんの会話がスクフェス大阪という場で聴けたのは幸せでした。
ありがちな質問に対しても4者4様の回答をしていたのも、面白かったポイントかなと思います。

erocco waruicoさん [戦いません勝つまでは(弱虫が学んだ大切なこと)]

eroccoさんが歩んできた壮絶な軌跡と、その軌跡の中で発揮されてきたeroccoさんの思考プロセス、素敵なメンバーを生き生きとさせるためにeroccoさんがしてきたデザイン、自分を大切にできないとメンバーを大切にできないという強烈なメッセージなど、見所が満載で、本当に素敵な発表でした。
eroccoさんの発表はスクフェス三河の録画を昨年見たのが初めてだったのですが、この時に雷に打たれたような感覚があったのを今でも覚えています。今回も、スクフェス三河に負けず劣らず、心にeroccoさんの想いがずしずしと響いてくる、素晴らしい発表でした

Naoki Kitagawaさん [ゼロからのスクラムチャレンジ]

タイトルの通り、受託スクラムにゼロからチャレンジした結果、どのようなことが起きてどのような学びがあったのか、ということをお話してくれたセッションでした。
北川さんがスクラムを0からチャレンジした過程を辿りながら、チームや個人、プロダクトに泥臭く向き合うというアジャイルマインドの重要性の話を再認識できる、素敵なセッションでした。
チーム開発が楽しい、というのは自分も同じ気持ちだったので、同じ想いを最後に北川さんが伝えてくれて嬉しかったです。

Miho Fujitaさん [スクラムマスターって何?-初心者スクラムマスターからDEVへのジョブチェンを通してSMを学ぶ]

三河、分散アジャイルチームの2回で藤田さんのセッションを見ていて、今回はこの続きということで楽しみにしていました。
今回は、藤田さんがスクラムマスターになった後にカオス状態を経験して、その後はDEV視点として一歩引いた視点でチームを見ながら自分の振舞いをふりかえり、スクラムマスターに必要な振舞いを探っていくセッションでした
カオスの中で見つけたスクラムマスターのスタイルの一つだったり、一歩引いた視点&藤田さんの経験から来る発見は、貴重な視点で、今回も学びを多数得ることができ、大満足です。
個人的には、負けず嫌いから来る努力や悔しさから来る努力というのが、自分と近い努力のパターンということもあり、藤田さんの発表からは刺激をいただけて、感謝が尽きません。

Mori Yuyaさん [プロダクトオーナーマニアックス! POとSMの原点の原点をさかのぼって学ぶ初代主査 中村健也の働き方]

森さんが年表を作るほど刺激を受けたという、主査中村健也という人間について掘り下げて、PO(とちょっとだけSM)について考えてみようというセッションです。
森さんは膨大な検証や自分自身が経験した実例を基にした独自研究で多数の結果を残されているイメージですが、今回は森さんが陶酔した(直接森さんから聴いた訳ではないですがセッションで森さんから相当な愛を感じたので陶酔したことにします笑)人物の歴史について発表をしてくれて、中村健也の魅力にどっぷりと漬かれるセッションでした。
森さんがセッションでおっしゃっていた、中村健也の活動(POとしての知的コンバット活動)は勿論素晴らしくて、大いに刺激を受けましたし、中村健也の芯の強さ(自分ができると思っているからできるんだ、と言って経営陣ができないだろうと思ったことを見事に実現してしまう力)が個人的には刺さりました。
自分もこれ位の芯を持ってプロダクト開発に臨みたいです。

広島トラック

Yuta Yamadaさん [重厚長大な大企業でのスクラムの始め方]

三菱重工業スクラムを推進していく活動をしていく上での取り組みを聴くことができました。
大企業の中でスクラムをやっていくためには、チーム内の変化やスクラムアジャイルへの理解というのは勿論大事だけど、それ以上にチーム外の数多くのステークホルダーを如何にして巻き込めるか、というのが大事なんだなあというのを実感しました。
また、エクストリームデイリースクラムは名前も内容も気に入ったので、チームで取り組んでみようと思います!

Masayuki Nishida / Kei Nakamuraさん [スクラムチームが挑む!未熟プロダクト育成とビジネス成功への道]

クラスメソッドさんとコニカミノルタさんで協働してスクラム開発に取り組む中で、お互いに何を意識していたのか、というのを掛け合いの形式で語ってくれたセッションでした。
掛け合いでは、共通のゴールに向かってお互いがどのように考えていたのか(見ている視点はどのように違ったのか)を確認し合ったり、あの時になぜそのような選択をしたのか?というのを聴いたり、お二人の対話が自然体で行われていたのが印象的でした。
また、お二人が信頼関係で結ばれている様子がひしひしと感じられたのが、一番素敵でした。

Yuichi Tsunematsuさん ["これから学ぶ" システム思考]

20分という時間の中で見事にシステム思考を説明してくれていて、驚きました。
システム思考がそもそも何なのか、という所からスタートして、実際にシステム思考を用いてどのように問題に対して対応をしていくのか、システム思考を使う際にどのような落とし穴があるのか、という話までされていて、密度の濃い20分間を過ごすことができたと思います。
ふりかえりをする時などに、チームにもスライドをシェアして、一緒にシステム思考で問題の原因分析を実際にやってみようと思います。

Ken Takayanagiさん 話し合うを体験するワークショップ:レゴシリアスプレイの体験

事前申し込みした人だけが体験できたワークショップで、残念ながら動画はありませんでした。
◆(参考)参加された方の感想
https://note.com/ratsbane6666/n/nee5982527f91
◆(参考)以前自分がレゴシリアスプレイを体験した時の感想
https://aki-m.hatenadiary.com/entry/2021/05/15/220908

福岡トラック

Jean-Baptiste Vasseurさん [リーダーとは何か、その答えをずっと探していたがCAL2を受けてやっと理解し始めた話]

CAL2を受けてみた理由が、「Zuziはそこそこいい本を書いていた」「Zuziの髪型のスタイルが好きだった」だったのは吹き出しましたww
リーダーシップについて考えるヒントを随所に散らばめて、セッション聴講者に考えるきっかけを与えてくれつつ、JBさんはリーダーシップに関連する問いにどういう見方で向き合ったのか、というJBさんの視点を体験することもできる、贅沢なセッションでした。
リーダーとは何か、という問いに対してJBさんが答えを探していた様子と共に、自分自身に対して真摯に向かっていた姿が、強く心に残るセッションでした。
あと、yamanecoさんの素敵なカルチャーの一端を覗けたのも良かったです!

Eisuke Tomitaさん [ふりかえりから始める組織カイゼン]

社会人1日目から仕事にワクワクして、そうしてワクワクした新人が会社の文化を作っていって...というめちゃくちゃ素敵な話でした。
この素敵な活動の源泉にあるのが楽しさ、そしてふりかえりというのも素敵な考え方で、えーちゃんさん自身が楽しみながら組織を改善している姿に大きな刺激を受けました。
全体的に共感しかないセッションで、最高でした。数年後、えーちゃんさんが続けてきた活動がどのような形に変化しているのか、どのような結果を生み出しているのかを伺えるのが楽しみです。

Hiromi Morikawaさん [創業145年の日系大企業でのアジャイルへの挑戦]

ひろみつさんとはTwitterでは繋がっていたものの、お話聴くのは初めてでした。
セッションを聴いた素直な感想としては、「あれ、こんなすごい人と普通に繋がっている世の中すごすぎないか...」という感想でした笑
会社の規模や実際にやる内容は全然違いますが、アジャイル開発推進グループの話は、最近自分の会社でも似たような体制で同じような話が出ていたので、ひろみつさんを中心に大日本印刷株式会社がやってきた取り組みは参考になる話が多く、学びも多数ありました。
ちょっと20分枠で話すにはもったいない話で、何か別のイベントや他のスクフェスで、発表の裏にあった多数のことや発表にあった状態にまで進む過程について、また改めてお話を伺いたいなあと思いました。

Kotoe Ishige / Kentaro Masudaさん [大規模な縦割り組織にLeSSを導入するまでの1年間とその後]

壮大な話だなあと思って最初は聴き始めたセッションでしたが、話を聴いていて、とにかく現実を見て行動すること、メンバーと丁寧に対話を重ねていくことというのがやっぱり大事なんだなあというのが伝わってきましたし、地道に活動をし続けた石毛さんとマスダ―さんのことを心から尊敬します。
LeSSに限らず、大きな組織でアジャイルを広めようと考えたときに、このセッションであった内容を思い出して、また改めて味わいたいと感じたセッションでした。

Yosuke Matsuura / Ken Matsumoto / Yasunobu Kawaguchiさん [人間中心型リーダーシップ戦略論 ~ 過激な感情表現で関係を壊さないために]

川口さん・松浦さん・松元さんのRSGT2021のセッションは、個人的には一つの大きなきっかけをもらえたセッションだったので、今回楽しみにしていたセッションの一つだったのですが、期待を裏切らない素敵な内容でした。
ネガティブな感情が出てきた場合、感情が誤解しているパターンに気が付き、ネガティブな感情を味わい尽くすことで、自由になれるんだというお話は、特に刺さりました。
ネガティブな感情が出た時は、とっさに回避したくなりますが、emotional scienceに記載の方法で感情を味わうことで、ネガティブな感想を消すことができるという話は、難しいけどその通りだなあと思いました。
emotional science, とっても気になります。。

品川トラック

Michael Migliacioさん [「モンダイ」が現れた!ゲームでアジャイルを練習しましょう!]

TANK, HEALER, DPSというRPGの概念を、スクラムのPO, SM, DEVに重ねて、問題に対してスクラムではどのような解決策を取っているのか、というのを説明してくれた上で、スクラムをしていると出てくるモンスタ(問題)ーやモンスターの弱点(対処法)を教えてくれました。
ゲームとしてスクラムを理解することで、よりスクラムが楽しめるようになるし、仕事として捉えていると出てこない視点が出てくることもあるのかなあと思いました。
スライドが分かりやすくて、楽しい発表でした!

Tomonori Sanoさん [スクラムで学ぶアジャイルラグビー]

佐野さんのラグビー愛が溢れる発表でした。(ラグビーの年表が発表中に出てきているのが、ラグビー愛を溢れさせていますね笑)
ヲタクの話はどんな話でも面白いという法則があるので、佐野さんのラグビー話もこの法則に背くことなく面白かったのですが、特にラグビー憲章のお話をここまで聴けたのは初めてで、スクラムの源流である価値観が本家のラグビーとどのように繋がっているのか(もしかしたら佐野さんほどラグビーについて理解しておらず何となくで作っていた可能性もありますがw)、が理解できて良かったです。

Hiroki Hachisukaさん [First Commitの前にやっておきたいプロダクトオーナーのお仕事]

POとして新規プロダクトでエンジニアに手を動かしてもらう前にやるべきことを、パターン・ランゲージ形式で丁寧にまとめてくれたセッションでした。
一つ一つのコツが分かりやすく、多種多様な観点で気を付けるべきことを挙げて下さっていたので、学びが深いセッションでした。
スライドも分かりやすく、はちさんの言葉も聞き取りやすく、おまけにYoutubeに上がっていて何度も見直せるのも素晴らしかったです!
初めて知る文献も複数あったので、積読が増えました笑

Yuichi Tokutomiさん [ゲームのように学ぶアジャイル開発]

脳内に語りかけると噂の例のセッションです笑
セッションを見たときに、「なるほど、脳内に語りかけるとはこういうことだったのか」というのが第一の感想でした笑
セッションの内容はえもいお話で、アジャイルに興味を持った理由がXPの白本で、そこからペアプロの素晴らしさを知って...といったTommyさんのアジャイルとの出逢いや、めちゃくちゃなコーチ(笑)にシステム開発の概念をぶち壊されて、身体にアジャイルがしみついたお話...がありました。
良くも悪くもめちゃくちゃな環境でも、純粋に楽しみながら学ぶTommyさんと、コーチの〇iroさんとの信頼関係が頭に浮かんで、ほっこりできたセッションでした。

Junki Kosakaさん [スクラムから見る野中郁次郎先生と組織変革]

野中先生を中心に、多数の方々の話が繋がってJKさんの中でブレイクスルーが起きたというお話でした。
ブレイクスルーに巻き込んでもらって、人間の関係性の話だったりミドル・アップダウンの話だったり、数多くの学びを得られたセッションでした。
全身全霊で野中先生を描く、野中先生のキーワードをひたすら書き出す...JKさんの野中先生愛を感じられるセッションでした。
J・Kさんが話されている様子を、立派な野中先生ヲタクで、楽しそうだなあーと思ってみていました。

Tsuyoshi Segaさん [アジャイル推進組織奮闘記~NTTコムウェアの場合~]

大企業におけるアジャイルの推進活動が如何に難しいことかということと、推進活動に対して瀬賀さんが如何にして向き合ってきたのか、というお話が聴けるセッションでした。
一つ一つの重くて大変な課題に対して、如何にして向き合い続けてきたのか、というお話は大変参考になりましたし、これだけの課題に向き合い続けてきた瀬賀さんを心から尊敬しました。
プレゼンのスタイルも相まって、思わず感情移入してしまう場面が何回もありました。

Kei Murabayashiさん [共通言語で共通の課題に相対するチームを作るゲーム]

複数視点でモノの見方をできるようにするために、共通の言語を作ってみるという試みは面白いなあと思って聴いていました。
共通の言語を作ることで、チーム同士の不要な摩擦が発生した時に、どちらが正しい間違っているみたいな話ではなく、単に見方の違いとして捉えることができるのが共通言語を効果なのかな、と思いました。

Kenta Sasaさん [スクラムマスター的な振る舞いと効果を見てみよう -子供3人とプレイしたFortniteの現場から-]

元気をもらえるセッションで、発表を聞いているというよりはYoutubeの実況動画を見ているような感覚で、楽しくわいわいできるセッションでした。
Fortniteの知識はあまりなかったですが、補足説明のお陰で充分楽しむことができました。
さささんがゲームをプレイしている所から、さささんが何を大切にしているのか、というお話をしてくれたのがすごいよかったです。楽しいだけではなく、色々学びはありましたが、自分はさささんがとにかく優しくていいお父さんであることが、一番の学びでした笑

仙台トラック

Masamichi Otsuka / Hideo Kobayashiさん [経験ゼロからはじめる!10年以上続くプロダクトのアウトカム創出戦略]

アウトカムを出していくための戦略の一例を知るという意味でも勿論参考になるセッションでしたが、個人的にはプロダクトマネージャーとして小林さんがどのように歩んできてどのような壁にぶつかったのかというお話が聴けたのが一番学びが深いポイントでした。プロダクトマネージャーとして、状況の可視化を具体的にどのようにして行うか、複数の視点を持つ重要性のお話...実際にプロダクトマネージャーを経験されている方がこのような形で発表してくれたのは、大変参考になりました。

Kenta Sasaさん [チームや組織を良い感じにするためにやっていること紹介 ~社外アジャイルコーチと社内チェンジエージェントの両面から~]

インタラクティブ性もあり、さささんの元気な声と記憶に残るような表現がされている単語との相性が抜群で、スライドを見たときとはまた違った驚きや学びがあり、何よりも聞いていた楽しいセッションでした。
色々な学びがありましたが、さささんのどんとした態度(どんな小さな変化であっても時間がかかることを理解して進める、なんでこんな変化なのに時間がかかるの?と思わない)や、現実に起きていることを丁寧に観察していく姿勢、一人一人との対話を大事にする、といったところは、今の自分に全然できていないことなので、参考にして、少しずつできるようにしていきたいです。

Yuki Misumiさん [チーム バーサーカーズ ~狂戦士になれと言われた僕らの、がむしゃら1日スプリント~]

勉強をタスクにして安心感を生んだり一から同じことを調べずに済むようにした話、メンバーそれぞれが不安に向き合いそれでも共通のゴールに向けて進み続けていった話を聴いて、バーサーカーズが本当に素敵なチームだなあとセッションを通して思いました。
後半のどんでん返しを中心に、映画を見ているような感覚で聴ける、聴いていて楽しいセッションでした。

Masanori Kawarada (Mark Ward)さん [独立QAチーム1年戦記:スクラムの外からチームと組織の品質を創る道 / An Independent QA Team's 1 Year's War: Way to Create Quality of the Teams and the Organization from the Outside of Scrum]

アジャイルスクラムという概念が広まっていく中で、徐々にQA, テスターと開発者の溝というのはなくなっていき、最終的には交わっていくという潮流がある中、敢えてQAとしてスクラムチームとは独立するという道を歩んだ話で、今回のセッション全体を通しても異彩を放っていたセッションでした。
ただ、より良いプロダクト開発をするという想いはQAチームがスクラムチームと独立していようがいまいが変わらず、この想いを基軸にして、開発者と協働した話は、大変参考になりました。
RSGTでも近しいお話を伺ったのですが、講演の4象限の話など、少しずつアップデートが入っていたのと、精巧に作り込まれたスライドが圧巻で、今回も楽しんで聴くことができました。

四国トラック

Takeshi Kakedaさん [個人から始める変化 ~IKIGAIマップ、マルチ・ポテンシャライト、ザ・メンタルモデルを入口にして~]

自己受容やメンタルモデルの話、大変参考になりました。
不都合な現実は自分自身が作っているというのは本当にその通りで、外側の環境が欠けていると考えるのではなく、如何に自分のことだったり自分が置かれている現実を正しく観察するかというのが大事なんだよなあーと深く共感できました。(痛みを回避しようとしてやっぱり再生している、その通りですね...)
愛なし/価値なし/ひとりぼっち/欠陥欠損が、自分が生きたい世界・作り出したい世界に転化するというのも、自分自身が不都合な現実を作り出している時に立ち直るきっかけとして、思い出したい言葉だなあと思いました。
参考文献やベースとなる理論は違いますが、福岡の松浦さん川口さん松元さんと共通項が多いセッションだったような気がしました。

Takayuki FUJITAさん [Introduce "A Scrum Book" Copeさんがくれたもの(後半)]

Scrum Patterns: The Spirit of the Gameを皆で読みながら、色々コメントをして、コメントを餌にわいわいと楽しむセッションです。途中退出途中入室もしやすそうで、これぞスクフェス!みたいなセッションだったのかも、と勝手に思っていました。
ちょっとぼかして書くしかできないのですが、超スペシャルゲスト(?)が、色々なお話や色々なコメント(?)をしてくれていたのが一番印象的でした。
インタラクティブ性がマックスで、次回以降のスクフェスではこういったセッションにリアルタイムで参加してみようと思いました

Muneyoshi Iyamaさん [プロダクトの品質とユーザ視点の品質を考えてみる]

プロダクトの品質を当たり前品質と魅力的品質に分解して、それぞれどういう風に品質を確保していくのか、というお話でした。
魅力的品質の部分について、魅力的品質があるかは最終的にはユーザーが決めるものなので、サービス内容によっては特に品質の定義や議論が難しいと思うのですが、その中でもデザインシンキングやSQuaREの利用時の品質の話を活用して定義を試みているという現実解としてのお話が参考になりました。
スポンサーセッションでも話されていた、Quality Journeyの話と併せて聴くと、より理解が深まり、楽しめるセッションだなあと思いました。

Ryota Nakagawa / Mitsuki Shimadaさん [結成から1年を迎えたチームのエクストリームな歩みと新たな風]

各所で存在感を放っているオキザリスチームが、どのように普段仕事を重ねているのか、どのようなきっかけで変化していったのか、という話で、オキザリスチームの皆さんに日々刺激を受けている自分得な最高のセッションでした。
既存メンバーの視点、新規メンバーの視点と複数視点でオキザリスチームで学んだことや発生した変化の話が聴けて、3人で発表するというスタイルが発表の面白さを増幅させているなあと感じながら聴いていました。

栃木トラック

Masatoshi SEKIさん [チームのひみつ]

チームの人数は少ない方がやりにくい、ビジョンなんていらない、同時に大量の変更を扱うことも普通にできる...自分のこれまでの常識が覆されるような発言がさらっと出てきて、なんだこれは...となるセッションでした。
ひみつの欠片、これだ!というのは見つけることができませんでしたが、良いプロダクトを作るというゴール(というより仕事?)だけに全員が目を向けて、全員がプロダクトに責任を持った結果、マネジメントコストが0になり、人がどんどん入っても何も困らない、という状況になっているのかな、と思っていました。
チームは小さくしない方がいいというのは、新人が関さんのチームに入ってきた時の様子を聴いて、確かにそうなのかもしれない!と思いました。チームが大きくて皆が「一緒にやろうよ」と言ってくれる状況なら、個人作業の方が効率良いという発想が生まれないと思うので。人数が小さくなる方が、チーム間の状況共有のコストだったり、「一緒にやろうよ」が破られて個人作業するチームが現れる恐れがあったりしそうですもんね。
固定観念をぶち壊しまくってもらえて、ただただ幸せな90分間でした。どうもありがとうございました!

Ryuku Hisasueさん [良いチームを形成する方法 ~リーダーのいない組織を大学生が挑戦~]

hisaさんがどのようにしてチームの変革をしていったのか、どういう考え方を実践したのか、という話だったのですが、大学生の開発チームで変革が起こるスピードの早さと、理論的な背景やスキルをhisaさんが上手に実践する様子が印象的でした。
実際に変革していった事例は勿論ですが、知識の吸収力や行動力、発信力など様々な力をhisaさんの開発チームから感じられる素敵なセッションで、強い刺激を受けるセッションでした。

Yusuke Amanoさん [すべての社会人に知ってほしい仕事の基礎としてのアジャイル/スクラムの話]

サイボウズさんの新人研修資料はちょくちょく拝見しているのですが、完成度の高さ(資料の丁寧さ)と、自分が社会人3年目とかに見た世界の内容を新人研修で教えているという事実に、驚かされています。
今回の天野さんの発表も、基礎から丁寧に説明&発表をされていて、新人の時に受けたかった内容だなあと思って聴いていました。
チームビルディングの部分については、なんとなく概念レベルでしか知らなかった内容がHBRへのリンク&体系的に語られていて、勉強になりました。

KazuhideInano / Etsuo Yamada / Kei Nakahara / Yasumi Nakanoさん [4人のアジャイルコーチに聞いてみた ~アジャイルコーチ IPPON GRAND PRIX~]

アジャイルコーチをしていると立ち会う様々な場面について、皆さんがどういう対処法をしているのか、というディスカッションをしていたのですが、こういう場面があるのかー, こんな風な回答をするのかー...新鮮味を持って聴くことができて面白かったです。
アジャイルやりたいからコーチしてください!」の期待値だと、アジャイルコーチを呼んでも、お互いがなかなかしんどそうなことになりそうだなあと感じました。
最後の矢沢栄吉ネタの下りは完全に一本グランプリ化していて、これはこれで面白かったですwww

京都トラック

Daisuke Kasuyaさん [スクラムを軸に据えたキャリア戦略 + 京アジャメンバーで、キャリア戦略について公開ディスカッション]

スクラムアジャイルといったチーム開発を楽しいと感じる一方、個人のキャリアというのは中々悩むことが多いのですが、その悩みに対して、一つのアンサー(勿論このアンサーが唯一の正解ということはないと思います)を提示してもらったセッションでした。
スクラムのスキルが「自己組織化されたチームで活躍できるか」「チームを自己組織化に導けるか」という観点でのスキル証明になるという話は、今まで全然持ったことがなかった発想だったので、特に印象的でした。
後半のパネルディスカッションも面白くて、エンジニアとしての生存戦略的なお話や、給料に対しての考え方や、純粋にやりたいことを優先してやろうという考え方など、もっと深く長く聴いていたいと思う話題ばかりでした。

Keisuke Ookuraさん [エピック大臣から始めるLeSSの導入]

プロダクトへの愛とプロダクトオーナーへの思いやりから生まれたエピック大臣の話、とっても素敵な話でした。
忙しい中でもプロダクトへの愛を胸に前向きに努力するプロダクトオーナーと、プロダクトを少しでも良くしたい&リスペクトしているプロダクトオーナーを少しでも楽にしたい、という想いが共鳴した結果がエピック大臣という既存のスクラムにはないロールの誕生だった気がして、一緒に働きたい素敵なチームだなあと思って話を聴いていました。
チームが課題にぶつかった話~エピック大臣の誕生から始まった越境のお話の後、最後のふりかえりで一気に盛り上げてくれて、最高のプレゼンテーションでした。

Shusuke Fujiiさん [コロナ禍における宿泊業の苦闘~ピンチをチャンスに変えた開発戦略]

かつてない苦しい状況の中でも訪れた数少ないチャンスを見つけ、見事に掴んだというお話で、映画を見ているような最高のセッションでした。
やったこともないし成功の確証もないけど、覚悟と確信を持って乗り切ったチームメンバーの話、クライアントの安心・安全のために頻繁に改善を続けた話、かつてない不確実性(開始前日のレギュレーション変更)との戦いをして見事に勝利を掴んだ話、極めて苦しい状況の中で開発者のモチベーションを優先した話、トップからの積極的な情報発信の話(倒産確率といった超生々しい話も共有されていたようです...!)...どれをとってもただただ尊敬の念しか出てこない、感度する話でした。
完全な個人的な話ですが、星野リゾートは最高のユーザー体験をくれるので本当に大好きなので、COVID-19の逆境に立ち向かった本セッションの話は、PCごしにうるっとしました。
COVID-19になってから一度もいけていませんが、心から応援しています!

Masataka Sugiuraさん [価値あるものをチームで届ける]

チームビルディングだったりプロダクトマネジメントの文脈で、参考になる事例が多数発表してくれる、学びの深いセッションでした。
「チームのビジョンを作る」というのはあんまり事例として聴いたことがなかったので、具体的なステップやどんな問いをしたのか、というのは面白かったです。(丁度チームのふりかえりでも、今後の方向性みたいなものを決定したいというお話がありました)
10時間の議論、熱量が物凄いチームですねー!
大倉さんのお話にもありましたが、マネーフォワードさんは、どのプロダクト, どのチームでも、スクラムアジャイルが、組織のカルチャーだったり現場の課題から自然発生している感じがあるのがいいなあーと思って聴いていました。

ベトナムトラック

Hiroshi KURABAYASHIさん [ベトナムでやり直すソフトウェア開発]

今回倉林さんのお話を聴いたのは初めてだったのですが、多種多様な経験をなされていて話が面白い方で、ファンになりました。
ベトナムの文化背景として、強い年功序列(上から言われたことがすべて)があって、汚いコードでも読めるしキャッチアップのスピードが早いけど、品質にはあまり気を使わない傾向があるという話だったり、自分たちの当たり前が見直されるような話でした。
実際の数値的な指標が多く出されていて、ベトナムで評価される(給料が高い)役職、開発工程ごとの課題感、今後の見通し...納得感ある情報が整理されていたのも面白かったです。
また、倉林さんがどのようにしてベトナムでチームビルディングをしたのか、どのようにアジャイル開発を教えていったのか...具体的な経験を聴くことができたのも良かったです。
全体を通して、一見すると矛盾しているように思える面があったものの*1、どこかでは何か一つになって繋がっているんだろうという感覚もあって、その共通点を探るのをこの後やってみたいなあーと思えるセッションでした!
自分がこれまで知らないベトナムという世界を、倉林さんを通して覗くことができて、あっという間の90分でした!

Kazuho Onojimaさん [1500人、110以上のプロジェクトが並走するグローバル企業で品質改善活動に取り組んでいる話]

ベトナムのチームと開発していく中で、品質に興味がないベトナムの開発者の方々を如何に品質にフォーカスしてもらうか、というOnojimaさんの具体的な取り組みの発表でした。
ベトナムのチームというコンテキストがなくても、立場が上の人の意見を絶対視している方をどのように変えていくか、みたいな話だったり、思いやりを持ったコミュニケーションの重要性と実例の話については、参考になるなあと思って聴いていました。
Onojimaさんが質問に対して丁寧に答えているのも印象的で、思いやりを持ったコミュニケーションを体現されているなあと思っていました。
倉林さんの発表と併せて聴くと、いい具合にリンクしている所や、問題意識や開発で出てくる課題についての納得感が強いので、より楽しめるセッションだと思いました。

Sakano Nao / Takeshi Fukasawa / yasuyuki kamitokusariさん [【パネルディスカッション】オフショア×スクラム=モダンオフショアの取り組み]

モダンオフショアの概念はRSGTで初めて耳にして少し興味を持っていたのですが、今回パネルディスカッションという形式で、理解を深められて良かったです。
実際に関わっている案件ベースで、モダンオフショアを如何に実践しているかの話を伺えたことで、中々普段見ることがない世界を覗くことができました。
セッションという形ではありますが、普段見ることができない世界を覗けるのはスクフェスの素晴らしさの一つだと思うので、この素晴らしさを本セッションで体感できて、幸せでした。

Fujihara Daiさん [アジャイルコーチの10年、スーパーアジャイルコーチの10年、ウルトラアジャイルコーチの10年]

藤原さんのアジャイルジャーニーとして、アジャイルコーチを名乗ろうと思うまで、アジャイルコーチを経験して起きた変化、ウルトラアジャイルコーチとして今後どういう価値を出していきたいか、というお話を聴くことができたセッションでした。
自分自身がなるべく早く現場から離れるために仕事をする虚しさに向き合いながらも、発注先のクライアント以上にプロダクトにコミットすることを心に決めて、ひたむきにコーチ業をこなす藤原さんに心を打たれました。
藤原さんのアジャイルジャーニーを一緒に辿る中で、藤原さんのものの見え方、ものの考え方を覗くことができたのは、学びが深かったです。

新潟トラック

Jumpei Itoさん [アジャイル環境における品質プロセス - Janet Gregory & Lisa Crispin(動画放映)]

ソフトウェアテストという言葉は使うのを辞めた。プロダクトテストを使うことにした」「良い質問できていますか?」という言葉だったり、テストと学習の話だったり、とにかく学びが多いセッションでした。
今回のセッションでは、「良い質問」というのが個人的には印象的で、この「良い質問」をしたいが故に、微妙なニュアンスの違いに拘ったり、豊富なメタファーを用いたり、学習を常にし続けたりしているのかな、と思いました。
JanetやLisaの話を聴いていると、テストするのが楽しみになるようなワクワク感がいつも貰えるのですが、今回もいつも通りテストって奥深くて面白いなあと思わせてくれる発表でした!

Yuya Kazamaさん [開発が加速していくために、テストコードを書き始める前から考えるべきテストの話]

テスト技法の落とし穴、コミュニケーションを効果的に取ってテストする重要性、という実践的な知識が、開発者目線でも分かりやすく説明されていて、最高のセッションでした。
インタラクティブ性も溢れるセッションで、当日参加していた方は楽しかっただろうなあと思って聴いていました。(勿論自分も実際に参加しながら聴いていました!)
ブロッコリーさんの話を聴いていて、テストっていう言葉やテスターという単語はどんどん意味が広くなっていって、最終的にはプロダクト開発の中に自然と溶け込んでいくのかなあ、自然に溶け込んでいく変化の中心には確実にブロッコリーさんがいるんだろうなあ、と漠然と思いました。

Mori Yuyaさん [シン・仮説検証 70,000枚の付箋で分かった仮説検証のエッセンス]

前振りから最後のYOW!までの流れが見事で、何回見ても楽しめるセッションでした。(今回のSFO2021の中で一番リピートしたセッションです)
めちゃくちゃ分かりやすい&すぐに行動に移せるお話で、感動しきりの20分でした。
発表の前半を聞いて、森さんの年表を作りたくなりました。YOWは毎日コツコツとふりかえりで使い続けています。
超個人的な話をすると、以前分散アジャイルチームで、森さんに組織で困っていることを解決したいということで相談した時に、発表にあったYOWについてだったり、ないない言葉だったりを教えてもらっていたのですが、実践しやすさも効果の高さもすさまじくて(会社だったり自分自身が悩んでいる問題が劇的に少なくなりました)、感謝しかないです。

Kentaro Arakawaさん [プロセス改善活動における二刀流的アプローチ]

プロセス改善活動チームに異動した荒川さんが、よくありがち(?)な施策を考えて実行は当事者や実際に施策を起こすチームに任せる、という姿ではなく、QAチームと兼務をすることで施策を考えながら手を動かす、というアプローチをしたというお話でした。
開発者としての立場で言うと、施策だけ降りてくる時と一緒に働いている人が開発案を掲げて自分で手を動かしながら周りを巻き込んで実行する時では、チームの動きが全然違う(勿論後者の方が俊敏な改善を進めることができる)ので、荒川さんのアプローチには全面的に賛同することができました。
何でも楽しもうというマインドや荒川さんのソフトスキルの高さが垣間見えた気がして、素敵なセッションでした。

Yasuharu Nishi / Azuma Miwa / Kaori Tokiwa / Kunio Yamamoto / Naoki Kojima / Takefumi Iseki / Yusaku Tokudaさん [品質を加速させるために、テスターを増やす前から考えるべきQMファンネルの話(3D版)]

QMファンネルの話、イベントも何回か参加して勉強したり、某テストの街で色々議論をしたりしていますが、今回の西さんの説明でかなり理解が深まったような気がしました。
確かによく考えると、QAだけだと何をやるのか良く分からないので、「品質を上げるためにQAを雇いましょう!QA組織を立ち上げましょう!」みたいな話をすると、西さんが後半で発表されていたような、本当にあったQAにまつわる恐ろしい事例が出てくるんだろうな、と思いました。
TE・PE・QAを車で例えてくれた話も納得感が強くて、改めてQMファンネルやQAの整理って面白い観点だなあと感じました。
セッションの内容も勿論面白いですが、西さんの発表や語り口、癖になる感じがあって面白いですー!

鳥取トラック

Imai Takaakiさん [効果的なスプリントプランニングのトライ]

スプリントプランニングは、スクラムに出会った時に一番取っつきやすいと思った反面、やってみると一番難しいと思っていたスクラムイベントだったのですが、自分が難しいと感じていた要素と、TKさんが難しいと感じていた要素が見事にリンクしていて、共感がめちゃくちゃ強いセッションでした。
プランニングしていく中で、「処理を会話しながら実装内容をコメントで書いて、コメントレベルでタスク分解する」というやり方は初めて目にした考え方で、是非実践してみようと思いました。
また、「プランニングをMTGとして捉えない方がいい」というのも、面白い考え方だなあと思って聴いていました。
自分は現段階の結論として、30分単位のタスクにSprintで行う全PBIを分解する状態がプランニングが終わった時の理想的な姿で、そこまでに時間がかかりすぎるのはある意味しょうがない、と思っていて、TKさんの細分化を支持するという考えと似ている気がして、嬉しかったです。

Tomoko Sohdaさん [スクラムネイティブなスクラムマスターがやらかした失敗とそこからの巻き返しの物語]

何でもないと思っていた変化やちょっとした異変が徐々に大きくなり、それが大きな失敗を引き起こし、その失敗大きな教訓をチームが得たというお話でした。
話を聴いていると、チームの成長が見て取れて、勿論捉え方にもよりますが、step1のお話は失敗ではなかったんじゃないか、とも思いました。
また、スクラムガイドを読んでみると、困っている時にしか刺さらない部分があるんだというお話もされていて、これはスクラムガイドにも限らず、学びが深かった本や名著と言われている本全般に言われることなのかなあと感じると共に、とても共感できました。
セッション全体を通して、Sohdaさんのプロフェッショナル意識の高さへの尊敬が強く芽生えました。

Masashi Miuraさん [システム開発を疑似体験するボードゲーム「ペジテの自転車」]

ペジテの自転車、とっても楽しそうで是非やりたいなあと思いました!
理論的な部分と実践の橋渡し的な役割として、並んだ理論や理論の必要性, 裏付けを疑似体験するためのツールとしてゲームに注目するのは凄く素敵な発想だなあというのを、本セッションを通して実感しました。
主に人材育成の観点で、ペジテの自転車をはじめとしたゲーム要素を積極的に取り入れていきたいと思いました。

Kazuyuki Taniguchiさん [鳥取のド田舎出身PMが見つけたチーム形成術!「炎」を操りチームを創る!]

プロジェクトにおけるチームの形成ってお湯を焚くことと同じじゃないですか?という中々に個性あふれる問いからセッションがスタートし、タイトルとも併さって一体どんなセッションになっていくんだと良い意味でハラハラしていたのですが、(笑)チームに火をつけるためには開発計画では不十分だという話や、小さい炎上の意義...実用的で学びが多い話が多かったです。
谷口さんの語り口や時節挟むユーモア溢れる例えは個人的にはとっても好きでした!お湯を焚くのってこんなに奥深いんですね!

Tomonori Fukutaさん [組織文化醸成の理想と現実~田舎で15年スクラムしたらカルチャーバブル爆発するでしょ!え、しないの?~]

15年間スクラムしている方のお話というのは中々貴重でした。
ちんもさんが、ちんもさんの行動力を活かして、自分自身の周りから変化を起こして広め続け(ちんも菌という名前らしいです笑)、着実に広まりを見せているものの、文化が会社全体に広がって楽になるということは中々ないというお話を聴いて、改めて組織変革の大変さを実感しました。
ちんもさんのお話は今回初めて聴いたので、前回までの作品を読むと共に、次回作を楽しみにしています!

金沢トラック

Yukio Okajimaさん [成功と失敗に学ぶアジャイル受託開発の極意]

受託開発を普段行っている立場として、大変参考になるセッションでした。
アジャイルで受託開発を進めていくにあたってのスタート地点として、契約の話からスタートし、最後は発注先が内製化できるための支援のその先という話まで提示してくれていて、アジャイルの受託開発という果てしなく長い道のりのロードマップの一例が綺麗に整理・提示されたセッションだったのかな、と思いました。
セッションの途中にあった、「見え方によって成功と失敗の定義は変わってくる」という話はまさにその通りだなあと思って、今後も多数の視点から、どういう姿になっていたいか、というのを問い続けていきたいと思いました。

Tsutomu Yasui / Yoh Nakamuraさん [紙芝居で2人のアジャイルコーチがScrumのあるあるをちょっとだけ語ってみる]

わいわい楽しみながら、やっとむさんと中村洋さんらしいお話を聞けて、とっても良いセッションでした。
紙芝居を見たのは人生で初めてだったうえに、やっとむさんが副音声として小ネタだったり、何でこのセッションをやろうと思ったのか、セッションに対するやっとむさん自身の評価などを聞けて、楽しかったです。

Kakeru Iikuboさん [[金沢] マインドと組織の変革 ~北國銀行における事例~]

北國銀行さんのDX話、SFO2021以外でも伺っているのですが、本当に凄いです。
数少ない金融ドメインにおけるアジャイル&DXの話でしたが、お話を聴いていると、金融だからアジャイルはできない(向いていない)というのは間違った発想で、組織変革の事例として大変参考になる発表でした。
覚醒した若い女性社員が、周りを巻き込んでどんどん変化を引き起こした話は、特に面白かったです。

Shota Suzukiさん [商用車メーカーの内製DXスクラムチーム奮闘記 ~スクラムブルーからの脱却と成長~]

2019年にチームが発足してからのチームの歩みとぶち当たってきた困難について、丁寧に過程が説明されているセッションで、変化のBefore/Afterではなく、何がきっかけでどういう変化が起きたのか、という話が好きな自分好みのセッションでした。
面白いなあと感じた箇所は幾つかあったのですが、
・「スクラムって意外と簡単じゃん」という誤解が自信をもたらし、開発の前進に寄与した
・チームの状態を見て、無理にスプリントを続けるのではなくスプリントを中断する決断をして、改善施策・チームの信頼関係向上に注力するスプリントを作った
という2点は、特に参考になりました。

Kazuki Mori / Takahiro Kaneyamaさん [ふりかえり手法のおもちゃばこ~最近生まれた新しいふりかえり手法をお届け!~]

発表当日はぐったりしていましたが、リアルタイムで聴きたかった...と一番強く思えるセッションでした。(皆でスクフェス大阪の話をふりかえりできていてとっても楽しそうでした)
ふりかえりの手法はどんどん新しいものが生まれていますが、どれもそれぞれの特色があって例外なく楽しそうで、手法が追加されていく度に、これからもびばさんを中心に、ふりかえりとう概念がどんどん深まっていくんだろうな、と想いました。
個人的には、信号機(すぐにできるけどチームの状態についての気づきを沢山出すことができて楽しそう)、チームの心得(個人ではなくチームに自然と目が向けられる)の2つは特に心に残ったので、チームでやる機会を探りたいと思いました。

XP 祭り

Ayumi HOSOZAWA / のーどみたかひろ / TORU KOIDO / Yasuto ENJOJIさん [XP祭り20周年だよ!全員集合!!スタッフが20年のXP祭りの歴史を振り返る会 &(後半20分)ビブリオバトルをふりかえる]

XP祭り、実は今年(2021年)が初参加予定なのですが、今から参加がめちゃくちゃ楽しみになるセッションで、SFO2021のタイミングで聴くことができて良かったです。
具体的には、錚々たるメンバーがXPJUGやXP祭りに携わっていたことや、XP祭りが如何に楽しいものなのか、XP祭りの歴史が如何にして作られたのか、というのが分かるセッションでした。(特に、過去のkeynote講演者がすごかったです!!!)
できればXP祭りの前夜祭とかでもう一度見てみたいなあと思ってしまいました笑

Takaaki Ouchi / Tsutomu Yasuiさん [スクラムボードゲームで楽しく学びを得ませんか?]

スクラムを学ぼうと思った時、CSMをはじめとした研修や本で学ぶのも勿論いいですが、こうしてゲーム形式で学ぶのが一番楽しそうだし、プロダクト開発をもっと楽しもうと思えるきっかけになるよなあと思ってワークショップを見ていました。
参加者の皆さんも本当に楽しそうで、自分自身も是非Scrum Board Gameをやってみたいなあと思いました!KANEさんが感想として挙げていた、スクラムマスターがいなくても何とかなる!笑といった、現実的にありそうな場面が味わえるのが良く考えられたゲームだなあと感じました。

Shinya Nakajimaさん [ペアワークで持続的に成長するチームになろう]

ペアワークというとエンジニアのイメージが強いのですが、ペアワークでメリットを享受できるのは非エンジニアだけではないという話を聴くことができたセッションでした。
特に「勇気」という側面については個人的には大きな意義を感じることができました(例えばPdMがペアワークすることで、一人だと中々難しい捨てるという「勇気」を得られたり、デザイナーがペアワークすることで共感を得られて自分自身のデザインに自信を持って進める「勇気」だったり、ペアに作業を任せて得られる「勇気」(大きい話だと自分は現場を離れたり小さな話だと休みを取って一切仕事をしない日を作る「勇気」)...)

Shohei Yamamotoさん [ランダムペアプロのすすめ]

ランダムペアプロ、以前取り組みとしては山本さんから一度伺っていたのですが、今回はより深く、特に組織(チーム)への浸透という側面でもお話を聴くことができて、前回以上に面白かったです。
特に、関西弁がどのようにして作られるか?という話は言語学の要素も含まれていて面白かったです。
発表も落ち着いたトーンでされていて、口調からは、山本さんが普段からチームに親身に接しているのが垣間見えた気がして、穏やかな気持ちになれる発表でした。

学びと心理学

Koki Kawagoi / manami Ozawaさん [チームの能力向上はどっちに向かっていますか? アジャイル開発と相性の良い能力アップとは?]

教育心理学概論を基に、定型的熟達と適応的熟達をキーワードにして、チームのスキル向上のために必要な要素や具体的なアクションを丁寧に説明してくれて、学びと心理学の名の通り、学びが深い発表でした。
教育心理学概論を読んで、適応的熟達という概念は分かったような気がしていたのですが、例えばモブプログラミングでどういう質問を投げかけると具体的に能力アップに繋がるのか、勉強会を具体的にどのようにデザインしていくと良いのか、と言ったところを、理論的な側面+kawagoiさん尾澤さんの実際の経験を基に話してくれたのは、特に良かったです。

Shinya Ogasawaraさん [学びについて学び続けて(現時点で)学んだこと]

フロー状態のお話やフロー状態の話を聞いて小笠原さんが面白いと思ったことのお話から、楽しむことの重要性や継続することの大切さについて語っていて、共感できる内容がとても多かったです。
特に、楽しいという感覚(フロー状態)はある程度自分で作れるし、もし楽しいと思えない状況でもコミュニティの皆さんなどの力を借りて楽しくするといいかもしれない、という話は同意しかなくて、一人でパソコンの前で首を縦にふっていましたw
KANEさんもPodcastでお話していましたが、自分の発表とリンクしている所も多くて、個人的にはとても嬉しかったです。

Koki Kawagoiさん [スクラムマスターの任命&育成法の紹介2~学習科学に基づいた解説を添えて~]

Kawagoiさんらしく丁寧なスタイルの発表で、「こういう風にスクラムマスターを育成するんですよ」で終わりという訳ではなく、なんでスクラムマスターの育成がいいのか?(勿論スクラムに必要だから、とかいう話ではありません)スクラムマスターの仕事に必要な要素、具体的な育成法...という風に一つ一つ丁寧に解説してくれました。
そのため、発表内容も凄く分かりやすく、すっと頭に入ってくる内容でした。
心理学を中心とした具体的な理論と、kawagoiさんがこれまで見てきた現場で感じた課題、というのが見事に融合されていて、スクラムマスターを育成するのは勿論、社内でアジャイルのナレッジトランスファーをしていきたい時には改めて見返したいスライドでした。

manami Ozawaさん [外部メンターとして現場に関わる私がメン バーとの会話で大切にしていること]

すぐに使えるような知識が数多く詰められていて、最低限伝えられると嬉しい所を線引きするという話や、話が合わないと思った時に自分を見てみると良いこと(なんで全然できないの?は自分が得意なこと、ストレングスファインダーの価値観が対称的なものだと話が合わないこともある)だったり、不調な人との接し方などは明日からでも使えそうだなあと思いました。
尾澤さんのセッションは、具体的で、聴いてすぐに使えるような知識が多いので大変ありがたいです。

Yoshio Miyake / Koki Kawagoi / manami Ozawaさん [チームでものづくりするときに、心のなかで起こっていることを上手く使うには?]

む、むずかしい。。。一部分しか理解できなかったですが(一部理解できたのかも怪しい)、人が理解する仕組みや、協働することが楽しい理由、というのを聴くことができたのはとても面白かったです。
人間はそれぞれが異なる表象を持っていて、チームが共調・協働することで、その表象が相互作用を起こして、新しい表象が形成されて、その表象が形成されるのに喜びを感じる、というようなお話だったようで(前述したようにあまり理解できていた自信がない...)、表象が一つのキーワードになっているのが分かりました。
教育心理学概論をもう一度読み直ししてみたいと思いました。

AgileTech Expo

Kohsuke Kawaguchi / 平鍋健児さん [日米ソフトウェアよもやま話実話と夢成分で語るビジネスとエンジニア人生]

平鍋さん川口さんのこれまでの話*2をお互いにし合うという、こういう場でないと中々聞けないようなトークからスタートし、そこからひたすらソフトウェア開発に関してのお二人の考え方が語られる、素敵なセッションでした。
一つ一つの話に重みがあってどれも面白かったのですが、個人的には以下の話は特に印象的でした。
・必要性が出てきたタイミングで必要なものが作られていく(OSSが活発になるにつれて、Githubが発展する)
・制約を強みに活かす(時差があって物理的に顔合わせできないことをどうやって強みに活かすか、というのを考えていく)
・一見理解できないことを理解しにいくことに価値がある
アメリカだと人と人の化学反応が速い。人の流入が激しいので、どこの会社に行っても知っている人がいて、その人が元々にいた会社の知見を広めている
Googleに入る人が凄いというのもあるが、Google自体がめちゃくちゃ凄い。少し大げさな例だが、Googleの環境にいるだけで生産性が10倍とか100倍になる
・その人がどれだけプロダクトに対してパッションを持っているのか?というのが最終的に大事になる。このパッションをどうやって作るのか?というのが川口さんの最近の課題
・こんなことも知らないの?を楽しむ
・色々な人、色々な合理性を探求することにエンジニアの醍醐味がある

中村 薫(Kaoru Nakamura)さん [リモートワークの課題をモブワークで解決する試み]

リモートワークで起きがちな課題とモブワークの親和性を実感できる良いセッションでした。
モブワークが苦手だった人が、「初めから完璧を意識しなくていい」「独り言を呟きながら思考過程を外に出すようにする」ということを意識したら、モブワークに対する意識が変わったという話は、特に聴いていて面白く、モブワークに抵抗が強い人と働く時に、頭の片隅に置いておきたいな、と思いました。

Chiemi Watanabeさん [探究とアジャイル]

chiemi先生が学んでいく過程を共に歩みながら、Agile PBLってどういう効果があるんだろう、ということを探求していくセッションでした。
体系的な知識を整理して発表するというだけではなく、知識を紹介した上でchiemi先生がある知識に対しての解釈を説明してくれて、学びがあったのは勿論、学ぶことが楽しいというのを改めて体感できるセッションでもありました。
最後の「学びのパスをつなげたい」というchiemi先生の想い、めちゃくちゃ素敵でした。学びのパスを繋げる役割の一つがコミュニティだと思っていて、自分も微力ながらパスを繋げる役割を担うことができたらいいなあと思いました。
そして、本や読みたい記事が積まれるセッションでした笑

Ikuo Odanakaさん [ニガテ意識を塗り替える~いかに組織を変えていくか~

アジャイルを広めていく際、アジャイルのことを何も知らない人よりも、アジャイルで失敗した経験がある人に対しての方が、アプローチが難しいと思います。
その中で、小田中さんがどのようにして実際にその苦手意識を塗り替えていったのか、という話をしてくれていて、学びが深いセッションでした。
また、研修を選抜制にしているという話は、「研修受けたい人が受けれなくて微妙では?」という自分の考え方が覆されるような話で学びが深かったです。
スライドも綺麗で話も聞き取りやすく、すっと頭の中に内容が入って来るセッションでした。そして何よりも、いきいきさを感じるセッションでした。

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Eiji Ienagaさん [【実演】 心理的安全性とリファクタリングのステップで、モブプログラミングはめっちゃ輝く]

リファクタリングを行う意義など、簡単にセッションに関連する概念的な説明があった後に、実際にモブプロをしている様子を見ることができるというセッションでした。
一応モブプロの知識はある程度持っているつもりで、実際の仕事ではチームでモブプロを実践もしているのですが、別のチームのモブプロの様子を見ることができるのは新鮮でした。
自分たちのチームとの比較という意味だと、一つのタスクが完了した時の皆の喜ぶ様子やモブプロ中の盛り上がりが印象的でした。
盛り上がれば盛り上がるほどいいかというと、そういうわけではないと思いますが、継続するための要素の一つとしてモブプロの"楽しさ"というのはあると思うので、いえぴょんさんを中心に、どのように盛り上がるための工夫をするのか、という所は今後の参考にしていきたいな、と思いました。

Woohyeok Aaron Kimさん リーダーが考えるべきこと : WHAT LEADERS MUST CONSIDER

こちら残念ながら当日見れず、動画もありませんでした。。。

Kou Miyakeさん [TechLeadとして始めたチーム改善]

開発コストの削減のためにどのような改善をしたのか、開発コストの削減をしようと思ったきっかけは何だったのか、というお話をしてくれました。
可視化されたデータを基に、改善を積み重ねていくというスタイルを忠実に実行されていて、実際に効果としても出ているという所が素晴らしいな、と思って聴いていました。
本発表と直接関係はないのですが、楽天さんに所属している方々が至る箇所で登壇・活躍をされていて、感嘆していました。(椎葉さんがkeynoteを務めていたからというのもある?)

Naoto Watanabeさん [拡大するビジネスに対して選んだスクラムと社内コミュニティによるつながり ~ユーザーフォーカスを続けるために~]

社内でスクラムの考え方をどのように活かしているのか、という実例についてお話してくれたセッションでした。
よくありがち(?)なアジャイルをやりなさい、と上から言われてスクラムが始まったという訳ではなく、企業のミッションからスクラムが自然に受け入れられたというお話があり、素敵な会社風土だなあと思って聴いていました。
社内コミュニティで行っている工夫の話も印象的で、社会学の考え方を絡めながら弱い繋がりを維持したり、情報共有する時に意図的に共有する情報を絞っているというお話は特に面白かったです。

Sanhe Kimさん [ギルドワークスの越境するプロジェクトの進め方]

ギルドワークスさんのことは存じていましたが、実際にどんな感じで仕事をしているのか、という話は今回初めて聴いたので、新鮮味がある内容で面白かったです。
価値探索を非常に丁寧にされている点と、プロジェクトのリスクを抑えるための工夫の部分が個人的には特に印象的でした。
ギルドメンバーの存在というのも素敵で、それだけギルドワークスの方々と組みたい、ギルドワークスのビジョンに共感している、という方々が多いんだなあということを改めて実感しました。

Platinum クリエーションライン Retsuya Yamamoto / JUNJI MATSUMOTO / Noriyasu Sakaue / yamamoto kodaiさん [実録!CLアジャイル道場!]

アジャイルのマインドや会社文化を学ぶための研修的な役割として立ち上がったアジャイルCL道場の取り組みについて発表があったセッションでした。(道場、というのがわくわくするようなネーミングで、クリエーションラインさんらしいですね!)
アジャイルスクラムの基本的な知識についての説明があった後は、セッション中で実践組手ということで、コミュニケーションによって生まれる効果や、モブプロのBefore/Afterなど、実際の様子が動画で見れたり、道場に実際に入門した方々からの忌憚のない感想を聴くことができたのも面白かったです。
発表自体が4人のコラボレーションで面白いものになっているように個人的には感じることができて、これも面白かったです。

Hidebumi Haraさん [カルチャーバブルの境界に暮らす管理職スクラムマスターの組織緑化運動]

小さな変化をまずは身内のチームで起こして、その後外の世界にどういう風に広げていったのか(どういう風な広がりを見せていったのか)という話をしてくれたセッションでした。
閉塞感が漂うカオスな開発チームがスクラムを取り入れたことで、様々な覚悟が生まれて、その覚悟がチーム外も変えた、という素晴らしいお話を聴くことができて、感動しました。
また、原さんの力強さが印象的なセッションでした。

Mitsuhiro Shojiさん [フローを加速せよ~TOC流の課題発見と対応のコツ]

TOCを勉強中の身だったこともあり、個人的にはすごい興味があった発表で、学びがある内容でした。
こうしたオープンな場でTOCを用いた発表を聴くことが中々なかったので、プロダクト開発の現場におけるTOCの活用事例は大変貴重で、セッションを聴くことができて良かったです。
今後も是非続き?というか、他の事例発表だったり、TOCを実践する中でぶつかった課題というのも聴いてみたいと思いました。

Shimpei Takamatsu / Ryotaro Nakajima [これでデザイナーと仲良くなれる ~デザイナーとエンジニアで上手にアジャイルする方法(模索中)~]

デザイナーとエンジニアが共創するための取り組みや事例紹介が分かりやすくされていて、参考になりました。
自分はエンジニアなので、デザイナーとこういう所で衝突が起きやすいよ、といった形でデザイナーがバックグラウンドとして持っているものやエンジニアとは異なる思考法を提示してもらえたのが、特に大きな学びでした。

Yasunobu Kawaguchiさん [スクラムの源流 "The New New Product Development Game" を朗読する]

スクラムの源流 "The New New Product Development Game" を朗読するというタイトル通り、ひたすらThe New New Product Development Gameを朗読していくという画期的な(!?)セッションでした。
しかも川口さんだけが朗読するのではなく、参加者皆で朗読していくというのもまた面白くて、従来のセッション概念を壊すようなセッションで、面白かったです。
The New New Product Development Gameを日本語で、しかも人の音声で聴くことができる機会は初めてだったので、面白かったです

Muneyoshi Iyamaさん - 私たちのQuality Journey [アジャイル開発におけるNTT品質への挑戦-]

大企業において、狩野モデルにおける当たり前品質の確保をアジャイルでどう確保していくか、ウォーターフォールからアジャイルに移行していくにあたって、ウォーターフォール前提で溜められていたノウハウをどう活用していくか、という話が聴けて面白かったです。
アジャイル支援者の絶対数が不足し間違った理解が蔓延、数人のスペシャリストへのノウハウ集中が原因でチームを自律させにくい(少人数チームに分けると、スペシャリストの支援ができない)...大企業だからこそ生じやすい課題が多く紹介されていたので、自分が所属するチームとの比較をしながら見れて、楽しかったです。

Iwao Harada / Taku Fujii [オージス総研いろいろ活動してまっせ!]

タイトルだけだと何の話か少しわかりずらいですが(笑)、マネジメント3.0とは?を10分で入門する話と対話についてのお話(会話との違い、対話の重要性、落語から見る対話の価値...)をお話するというセッションでした。
マネジメント3.0, 対話の話どちらについても、「お、これは本格的に勉強してみたい」と発表を聴いて思えるような、良いエントリーポイントとなるセッションで、良かったです。

keiichiro kawanoさん [ラクスに入社8ヶ月、楽楽販売開発チームが課題ドリブンで少しずつスクラムっぽくなってきた]

見えていた課題に対してどのように具体的に立ち向かい、どのような変化を目指したのか、という話がかなり高い具体度で説明されているセッションで、学びが深いセッションでした。
スクラムガイドに書いてあるけどできていないことをやっていったという話ではなく、課題を一つ一つ解決していく中で、「気付いたら結構スクラムっぽくなっていた」という話は面白いし、スクラムを導入していく中で覚えておきたいことだよな、と思いました。

Fumiaki Komatsuさん [泥臭スクラムマスターが6つの個性的なチームから学んだ「ずっと大切にしたいこと」]

異なる6つのチームから学んだ6つの気づきをお話してくれるセッションでした。
どの気づきも共感できる気づきだったのですが、「スクラムはあくまでも必殺技の一つ」という気づき(スクラムはあくまでも引き出しの一つで、現実にあるものを合わせてプロダクト開発をしていくのがプロだという話)は共感が非常にできました。
小松さんがスクラムとチームを愛していているんだな、というのが伝わる話で、素敵な発表でした。

C.J. Hostetterさん [デザインの力は、 多様性をサポートする!]

発表にあった、CJさんが感じた違和感を感じた行動やデザインについては、自分自身がやってしまったりする行動(過剰なデータ分析)もあり、発表を通して自分自身のバイアスに気が付きました。
発表後の質疑応答も良くて、yamanecoさんの素敵な組織文化が垣間見ることができました。
また、内容はもちろん素晴らしかったのですが、CJさんのプレゼンテーションが上手すぎて、これも勉強になりました。