天の月

ソフトウェア開発をしていく上での悩み, 考えたこと, 学びを書いてきます(たまに関係ない雑記も)

「現場から組織を動かす方法 ~大企業と中小企業、それぞれのアジャイル導入から学んだこと~」に参加してきた

agile-studio.connpass.com

こちらのイベントに参加してきたので、イベントの様子と感想を書いていこうと思います。

会の概要

「自分たちもアジャイル開発をやりたいのですが会社が認めてくれません。」

抵抗勢力が(以下略)」

これは、アジャイル開発を導入しようとした時に、多くの人(主に現場のリーダやエンジニア層)が抱える悩みではないでしょうか。

特にこれまでレガシーと呼ばれる開発スタイルが中心であったり、ある程度規模が大きく歴史が長いような組織の場合、すんなりと新しいスタイルを導入できるケースは少なく、導入の取り組みそのものよりも、周囲への説明や説得に苦労を感じることが多いようです。

しかしながら、世の中のアジャイル導入に関する情報や議論には、組織をデザインする立場からのマネジメント論や、ソフト開発のテクニックやノウハウに特化した技術論として語られることが多く、上で挙げたような「現場から組織を動かす」「上司を説得する」ための悩みを共有し議論する機会は少なかったように思われます。

今回のウェビナーでは、このような現場の悩みに注目し、アジャイル開発導入へのヒントやアンチパターンを、講演者の経験や失敗談なども交えながら提示させて頂きます。

会で印象的だったこと

立場によってミッションが変わる

自分の中では、ミッションはプロダクトのステークホルダー全員が共有していて、皆が同じ方向に向かっているはずだと思っていましたが、実際の現場ではミッションが立場によって違う場合が多いという話がありました。
相手のミッションや関心事に合わせて、伝える言葉を変えたり、表現の仕方を変えたりする重要性を改めて実感しました。

敗北条件を満たすような失敗は意外と少ない

アジャイルを導入したり組織を動かそうとした時の敗北条件は、「クビになる」「社内で取り返しのつかないくらい信頼を失う」位ですが、ここまでいくことは(日系企業なら特に)まずありえないので、意外と自由はあるという話がありました。
これは言われてみると確かにその通りで、自分自身が数々の制約を知らず知らずのうちに自分に課していることも多いので、明日から肝に銘じた言葉でした。

出世する

「出世に興味がない」という人はいるけど、出世しないと見えない世界や触れられない情報はあって、これらの情報を得たことで、他者に共感してもらえる物言いや他者の関心事を知ることにも繋がるので、出世する努力もしてみようという話でした。
自分自身も0ではないにしろ出世に対する興味は薄目だったので、この話しは心に刺さりました。

レガシーに敬意を払う

レガシーであるということは、長く続いているという点から、成功している部分や見習うべきも多いんじゃないかという話がありました。
自分自身、レガシーなコードにはなかなか苦しめられていますが、ここでアジャイルに傾倒し過ぎてしまうと、知らず知らずのうちに敬意を欠いてしまう恐れがあるんじゃないかと自覚することができて良かったです。

全体を通した感想

権限を持っていなかったり、現場ではトラディショナルな考え方が浸透していてなかなか変化を起こせそうにない立場でも、具体的に一歩を踏み出すためのコツが聞けたのが印象的でした。
良い方向に向かうための一歩目を踏み出すヒントとなる話が聞けて良かったです。
自分自身ができていなかったことや、バランス感覚が失われかけていることを自覚できたり、具体的な話も抽象的な話も、岡本さんの言葉で聞くことができて、有意義で心地よい時間を過ごすことができました。