天の月

ソフトウェア開発をしていく上での悩み, 考えたこと, 学びを書いてきます

NVC~人と人との関係にいのちを吹き込む法~を読んだ

こちらの本を読んだので、本の概要や感想を書いていこうと思います。

本の概要

以下、本の概要です。

どうしたら、この気持ちが伝わるのだろう? 教育や子育て、医療、ビジネスの現場で注目される、まったく新しいコミュニケーション手法――“暴力や対立"を“互いが思いやる機会"に変える手法を伝授します。

実りある対話を妨げ、暴力や対立を生み出している原因は、普段、わたしたちが慣れ親しんでいる話し方や考え方のなかにありました。わたしたちが知らないうちにおこなっている「比較」や「評価」「決めつけ」が、誤解や無用な争い、怒りや痛みを生み出していたのです。
NVC(非暴力コミュニケーション)では、相手を評価したり決めつけたりするのではなく、自分が抱いている感情、自分が必要としていることに耳を傾けることで、怒りや対立を“互いに思いやる機会"(つながる機会)に変え、人生をより豊かなものにします。

本書は、そのNVCの基本書して、世界中で読まれているベストセラーの邦訳版――現在28言語に翻訳され、世界で120万人の人たちに読まれている「話し方」の教科書です。本のなかに登場する事例は、親子や夫婦、学校や職場、カウンセリングでの対話など身近なものばかり。

本で印象的だったこと

~と感じる、は感情ではないことが多い

本書では、自分の感情を見つけたり、他者のふるまいを観察する際には、自分が何をどう感じているかと、自分がどう思っているかを区別すると良いという話をしていました。
例えば、「私はあまり大事にされていないと感じる」の、"大事にされていない"という言葉は感情を表している訳ではなく、あくまでも自分の思っていることを表しているという話がありました。
このように感情と思いを混合することは、自分や相手を誤解させることに繋がり、自分が言葉を通して本当に伝えたいこと(例えば先ほどの例であれば自身の悲しい気持ち)が伝わらない可能性を高めてしまうということでした。
相手に自分の感情を伝え、どうして欲しいのかをお願いしたつもりでも、全然思いが伝わらず途方に暮れてしまうことは、これまで数えきれないほどありました。しかし、本書に書かれているように、自分が感情(+相手に望む行為)を相手に伝えられていないことがほとんどであることを知れて、自分のスキル不足だったことが分かり、精進すれば相手に伝えられる回数も増やせるのかもしれない、と安心しました。

~すべきの罠

自分の環境では、「~すべきだと思う」「~した方がいいんじゃないか」という話は他に選択肢がないことを示唆することに繋がり、選択肢がないことは自分の自律的な行動や選択の自由を脅かすという話がありました。
これはその通りで、自分自身も他人に「~すべきだ」といった断定して選択肢を狭めるような言葉は投げかけないようにしているのですが、本書では自分自身にもこのような言葉を投げかけていないか、という記載があり、これにはハッとしました。
自分はもっと周りを見るべきだ、もっと技術に関して勉強をすべきだ、といったように自分自身を制限させる言葉を、特に自分が理想としていたことができなかった時によく投げかけてしまうのですが、これが自分自身を苦しめ、なおかつ自然と自分自身の言葉に抵抗を生む(先ほどの例なら余計技術に関して勉強をしたくなくなる)ことに繋がることに気が付きました。

共感することの難しさ

共感するには、「ただそこにいるということ」を維持する必要があるとマルティン・ブーバーは話していますが、この定義を守る、すなわち真の意味で共感することが如何に難しいことかを本書では説いていました。
ただそこにいて相手の話を理解するのではできない例として、「あなたはよくやったよ」と慰めてしまったり、「自分も似た経験をしたから分かる」と自然と自己語りしてしまったりといったものが挙げられていましたが、どれも自分がついつい相手の話に共感したいと思った時にやりがちで、良い自戒になりました。

感謝の伝え方

人に感謝を伝えよう、部下は褒めて伸ばそう、という話はよくありますが、本書では安易な感謝や褒め言葉には、効果の持続可能性の観点から警鐘を鳴らしていました。
確かに人は褒められたり感謝を受けることで、一時的には嬉しさを感じるということですが、感謝の裏にある言葉があるんじゃないか、何か利用されたり評価されているんじゃないかと思ってしまうと不安になり、伝えたかったはずの感謝が相手に届かない場合があるということでした。
本書に書かれている素直に受け取れない感謝として挙げられていた、「どのような部分が感謝に値するのか(自分自身のニーズを満たしてくれたのか)」という話がない感謝は、自分自身の経験則的に、たしかに不安になることが多いですが、一方で自分自身は「すごかった」などの一言で感謝する、ということをやりがちで、本当に感謝を伝えたい場面では「すごかった」のコミュニケーションだけではなく、本書に書かれていた感謝に3要素を満たす形で感謝したいと思いました。
一方で、これだけかしこまった感謝というのを常に伝える必要はないかな、という想いも個人的にはありました。
例えば相手の行動が何か自分のニーズを満たせていなかった旨を伝える際などには、一言だけ「ありがとう」を言うだけでも受け取り方は全然変わるかなあと思うので、一言だけの感謝=逆効果、のようには考えないようにしたいと個人的には思いました。

全体を通した感想

これまで、会社で取るコミュニケーションにも、家族と取るコミュニケーションにもそれなりの注意を払っていたつもりでしたが、本書を読んで自分のコミュニケーションの至らぬ点を痛感し、具体的にどのように改善すればより自分にとっても相手にとっても心のわだかまりがないようなコミュニケーションが取れるのか分かって嬉しかったです。
また、自分自身に向き合うヒントとしても、本書で書かれている数々の話が役に立ち、自分の今後や、他人とのコミュニケーションに希望を持つことができる本でした。