天の月

ソフトウェア開発をしていく上での悩み, 考えたこと, 学びを書いてきます(たまに関係ない雑記も)

OSTのあれやこれ

今日は、参加していて楽しいOSTと、OSTに参加していて難しいと感じることを書いていこうと思います。

OSTとは

以下の記事が良くまとまっています。

www.humanvalue.co.jp

記事を書こうと思ったきっかけ

きょんさんが先日の分散アジャイルチームの会で、長い間OSTをやってきて気が付いたこと(こうあると良いOSTになるかもと思ったこと)の話をしてくれました。
きょんさんの話にすごく共感すると共に、自分自身でも、OSTに参加していて感じるあれこれを言語化してみたいな、と思い記事を書くことにしました。*1

参加していて楽しいOSTの特徴

断定がない

きょんさんが言っていた原則ですが、自分自身も共感したのでここにも改めて書いておきます。
OSTでは、基本的にはコンテキストや関係性を全て伝えるのが不可能です。
そのため、「それ、○○○なんて、○○○だからやめた方がいいですよ」などと言ってしまうと、隠されている関係性やコンテキストを無視した発言になってしまいます。
勿論、参加者の意見自体は貴重なものなので、関係性やコンテキストが隠されていることに配慮して、断定はせずに「私は○○○かもしれないと感じました」とかで伝えてもらえると、参加していて心地よい場になりそうです。

問題に対して多様な観点が提供される

参加者が多かったり博識な方々がいるOSTでは、問題に対して多種多様な捉え方が出てくるのですが、これがめちゃくちゃ面白いです。
全然知らない学問の話が飛び出してきたり、良い意味で個性的な経験が聴けたり、ネガティブなテーマだと思っていたのにポジティブな見方が飛び出したり、問題意識を持つところが違ったり等々、多様な観点が提供されるOSTは学びがあったり、自分一人では絶対に気が付かないことに気が付くことが多いので、参加していて楽しいと自分は感じます。

一体感がある

テーマ(問題)に対して皆が考えている雰囲気が出ているOST*2は、エネルギーや勇気がもらえるような気がするので個人的には好きです。
仕事だと、周りの人が忙しかったりして、多数の人と一緒に問題に対してじっくり向き合う場面が自分の場合は中々少ないのですが、OSTでは複数名の人がある程度の時間を使ってテーマに対して向き合ってくれるので、普段あまり仕事では感じることのできない一体感を感じられて、勇気がもらえるような気がします。
OSTでは、テーマに対してはっきりとした結論は出ないことが多いですが、この一体感が味わえるお陰で、テーマに対して向き合い続けるエネルギーをもらうことができると個人的には感じています。

OSTに参加していて難しいと感じること

コンテキストをどこまで開示するか

参加している皆さんとは信頼関係を結べているものの、社内で起きている話などは具体的に開示できない話もあるので、どの程度までぼかすかを考えるのが難しいです。
ぼかしすぎると、ピントがずれた状態で話すことになり、話したいテーマからはずれていくリスクがあるので、なるべく正確かつ詳細にコンテキストを伝えたいのですが、良い塩梅が見つからず、いつも苦戦しています。
議論できる時間にもよりますが、深堀してくれる人は大体いるので、とりあえずぼかしすぎ位で出してみて、深堀してもらいながら適宜出せる情報をこまめに出していくスタイルを自分は取っています。

声を出すハードル

参加する場にもよりますが、参加者の皆さんは多数の知識や豊富な経験を持っている方々なので、発言をすると見当はずれなことを言って場を混乱させてしまわないかが不安になり、中々発言できません。
ただ、発言してみると大体の場合は優しくフォローしてもらえますし、少なくとも自分は知識がなくて馬鹿にされたような経験はないので、あまり気にせずにばんばん発言していけば良さそうです。

テーマを出すとファシリテーターなり場を回す役目を担うことが多い

テーマを出す時は、当然関心があるテーマを出すので、ファシリテーターなり場を回す役割は他の人に任せたいのですが、暗黙的なルールで、テーマを出した人が場を回す役割を担うことが多い気がします。
そのため、関心があるテーマを出したのにあまり議論の内容に集中できず、テーマを出したのにあんまりどんな話がされていたのか理解できずに終わることがあります。
ただ、製造業アジャイルのコミュニティをはじめ、最近はテーマ出しをした人以外が代替でファシリテーションをしてくれるというパターンも増えてきたので、今後この悩みは解消されていくのかもしれません。

*1:普段参加したイベントの記録を基に数えてみたところ、これまで合計で117回のOSTを経験していました。なお、初めて参加したOSTは、Scrum Developers Night!~1st~でした。

*2:音声チャット問わず、多数の人が反応してくれている...