- 作者:リチャード・シェリダン
- 発売日: 2016/12/20
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
を読んで思ったことを今日は書いていきます。
本を読んだきっかけ
本を読んだきっかけが、本書の冒頭2ページ目で言語化されていたので、そのまま引用します。
それでも、バカげて聞こえるかもしれないが、僕たちの仕事の中心には「喜び」がある。「喜び」こそが僕の会社、メンロー・イノベーションズという、ソフトウェアのデザインと開発を手がけるアナーバーのいち企業の、存在理由になっている。
僕たちが何をするか、なぜそうするのか、喜びが規定する。チーム全員が一人残らず共有している、唯一の信条だ。その喜びのおかげで、あなたも僕を知ることになった。
そう、あなたがなぜ本書を手に取ったか、僕にはわかっているんだ。あなた自身も望んでいる。望んでも仕方ないと思いながらも、あなたの仕事に喜びをもたらしたいと願っている。
あなたは心の奥底のどこかで、もっといい形でビジネスやチーム、会社、事業部を動かす方法があるとわかっている。これまでもずっとわかっていたはずだ。そうした考えが頭をかすめるのは、眠りに落ちるときや、目が覚めた瞬間かもしれない。だが仕事の一日が始まれば変化なんて考えは押しやられ、つなぎ合わせることのできない夢の破片のように蒸発してしまう。
この部分に記載されている通り、「仕事に喜びや楽しみを感じられたら最強なんだけどなあ」という想いから本書を読むことにしました。
仕事も楽しめると最強なんだけどなあ
— aki.m (@Aki_Moon_) 2021年3月3日
前よりは楽しめている気はするんだけど、楽しめている感がめちゃくちゃ薄くて困っている
本書で印象的だったこと
喜びと幸せは一緒ではない
言われてみると全然違うものではあるのですが、少なくとも本を読むまでの自分は同一視していました。
「幸せはある時点における状態であるため、幸せを目指すと困難な状況から目を背けるかもしれないが、喜びを求めて行動すれば困難な状況にも立ち向かえるかもしれない」という話は、最初はなんだか狐につままれたような感覚で読んでいましたが、本書を読み進めていく内に、納得感が次第に高まっていきました。
ラーニングランチ
実践していますが、本に書いてある通り、楽しくて有意義な時間になるのでおすすめです。
distributed-agile-team.connpass.com
見える化による協働
見える化をすることで自然と意識が向かい、一緒に問題に対して向かい合いたくなるんだろうな、と思いました。
最近見える化を推進したことで、素敵なコラボレーションが実現した話を社内で聴けてとっても楽しかったのですが、見える化が良い理由が改めて本書で言及されていて、頭の中が整理されました。
ブルックスの法則は破れる
本書では、自分にとって衝撃を受ける話が数々出てくるのですが、自分が読んでいて一番衝撃を受けたのはこれでした。
真にスケーラブルなチームとはどういうことなのか、というのを考えさせられました。
また、問題に対して社内&顧客全員で立ち向かう思想が顕著に現れている例で、読んでいて感銘に近い感覚を覚えました。
エベレスト登山のメタファー(組織改革の話)
ベースキャンプの到達⇒1/3の高さまで登る⇒2/3の高さまで登る⇒ベースキャンプまで下りる⇒登山で感じた厳しさや登山中の物語を話す
という、組織改革をエベレスト登山に例えた話が印象的でした。
下山することも旅の一部であると本当の登山家は知っている
という一文は特に心に刺さりました。自分がこれまで取り組んできた所から後退して、皆に道を示することも立派な活動だということが理解できたので、心が軽くなったような気がしました。
仕事での喜びの旅は個人的なものでいい
仕事は常にチームでするものであり、喜びは自分が感じるものではあまり意味がなくて、チームが感じられるものであるべきだと思っていたのですが、
仕事での喜びの旅は、個人的なものだし、そうあるべきだ。
という一文を読んで、自分の考えを見直されました。
ふりかえると、自分の喜びを優先するのは自己中心的な行動に思えてしまっていたのですが、本書を読んで、自分の喜びを追求しないことの方が自己中心的な行動だと思うようになりました。
本書を読んだ感想
読んでいてわくわくするようなメンローの文化やメンローで実際に起きた出来事の例が多数出てきて、自身もこのような環境で働けたら喜びが生まれることを確信しました。
本に書かれているメンローの話と自分の現場はあまりにもかけ離れていることもあり、メンローの話の全てを受け入れることは現状の自分にはできないというのが本音ですが、まずは自分自身の喜びに向き合い、喜びの実現に向けて少しずつ変化を起こしていきたいと思います。