天の月

ソフトウェア開発をしていく上での悩み, 考えたこと, 学びを書いてきます(たまに関係ない雑記も)

「その仕事、全部やめてみよう」を読んだ

その仕事、全部やめてみよう 1%の本質をつかむ「シンプルな考え方」

その仕事、全部やめてみよう 1%の本質をつかむ「シンプルな考え方」

  • 作者:小野 和俊
  • 発売日: 2020/07/30
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

「その仕事、全部やめてみよう」を読んだので、感想を書いていきます。 

読んだきっかけ

銀の弾丸ラジオを聴いて、興味を持ったので読んでみようと思いました。
具体的に興味を持ったポイントとしては、以下2点です。

  • 自身が今後どういう方向に進んでいくべきなのかを最近考えることが多いので、ラストマン戦略の話が気になりました。
  • 既存の仕事や機能を捨てることに存在する抵抗を仕事で感じる場面が多いので、改めて考えてみたいな、と思いました。

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章ごとの感想

第一章 : 「谷」を埋めるな、「山」をつくれ!-市場で勝つ

自分の現場では、プロダクトに対して「谷」を埋める仕事が大部分を占めていて、「山」を作る仕事が殆どできていないので、この章を読んでビジネスモデルやPBLの選定に危機感を覚えました。
ただ、「山」を感じてもらえたものの「谷」が大きすぎて、導入を見送られたことが過去にあったり、「山」に魅力を感じてプロダクトを導入してくれたもののいざ使ってみると「谷」の悪い印象が強くなって不満が溜まる、という事例もあったので、結局は「山」を作る仕事と「谷」を埋める仕事のバランスを常に考え続けていくことになるんだろうな、と思いました。

第二章 : 「ハンマーと釘」の世界の落とし穴ー正しく実行する

「新技術を学ぶとすぐに使いたくなってしまう」といった例に代表されるように、目的と手段が混合しないように注意しようという話でした。
教訓として語られ過ぎて、自分の周りだと本に書いてあるような例になることは稀にしか見ないので、大事な話だとは分かりつつも、あまり現場で問題になるイメージは湧きませんでした。
本章の話とは少しずれてしまいますが、個人的には、「ハンマーを持ったことで何でも釘に見えてしまう」ことよりも、「釘か分からないけどとりあえずハンマーで叩いてみる」姿勢にならないようにすることを注意したいと思いました。

第三章 : 「ラストマン戦略」で頭角をあらわせー自分を磨く

第一章の山と谷にも繋がる話で、キャリアアップや会社内での立場確立という意味だと、本章に書いてあるラストマン戦略(組織やチームの中で、XXXだったらYYYさんに聞け、と言われるような状態になること)は極めて有効な手段だな、と思いました。(自身の周りで、早い段階で結果を出してきた人の殆どが何らかのラストマンになっているな、という実感がありました)
ただ、個人的には、今まで主に経験してきたこと(ラストマンに近い存在になっていること)よりも経験が浅いことにチャレンジしたいという想いを今は持っているので、本に書かれている戦略からは逸れてしまいますが、自分の想いを優先したいな、と思いました。(及部さんがPodcastで言ってくれていた、ラストマンになっていなくても、異なるスキルを保有していることで稀少性が増すことがある、という話に背中を押してもらえた感覚がありました!)
勿論、チャレンジするからには中途半端な形にならないように、自分にできる限りの努力をしていきたいと思います。

第四章 : 「To Stopリスト」をいますぐ作るー生産性を上げる

仕事をしていると、どうしてもやることを増やしてしまいがちだけど、より価値のある仕事(自分にとって楽しい仕事)に集中できるように、やめることリストを作ってみようという話でした。
個人としては、中々今すぐにやめたい仕事というのが思い当たりませんでした。。(属人性を排除したい仕事はある)
やっている仕事のROIを定義してみて、「To Stopリスト」に加える仕事を探してみたいと思います。

第五章 : 職場は「猛獣園」であるーチームで戦う

色々な人がいるので、その人の尖っている部分を活かしていけるようにしていこう、という話でした。(ハイパフォーマーの人は特に尖りがちだという話もありました)
本章の話も自身の経験と一致していて、とてつもないパフォーマンスを発揮する人ほど個性が強く、スキルの凸凹が激しいのは間違いないと思いました。
相手の尖っている部分を活かしていけるように、自己中心的な態度に感じても意思を受け入れて、自分から距離を遠ざけることがないように(あの人はXXXだからだめだ、とならないように)することを引き続き意識していこうと思いました。

全体を通した感想

本に書いてある内容を現場と照らし合わせながら読むことで、普段の行動を省みることができたのは良かったです。
分量も少なくてすらすら読める本だったので、軽く読むことができました。
最後には筆者のこれまでの人生について書かれていて、この本のタイトルの所以と、筆者が本書に込めた想いに触れることができて感動しました。
また、本書を読んだ後で改めて銀の弾丸ラジオのPodcastを聞き直してみて、「あーこういう感想持つの分かるなあ」とか、「こういう感想を持つのかー」とかを改めて感じられたのが楽しかったです。
本書のようなビジネス書(?)はあまり読んだ経験がないのですが、自身の行動をふりかえる目的で定期的に読んでみてもいいのかな、と思いました。