会社の人からお勧めされていた、「今いるメンバーで「大金星」を挙げるチームの法則」を読んだので感想を書いていきます。
今いるメンバーで「大金星」を挙げるチームの法則――『ジャイアントキリング』の流儀
- 作者:仲山 進也
- 発売日: 2012/10/23
- メディア: 単行本
本を読んで参考になった部分
ストーミングを受け入れられる準備
- ビジョンを示す
- ストーミングの意義を共有する
- 個人の安全を確保する
- グループの安全を確保する
- ストーミングがスムーズに進みやすくする
という5つの具体的な準備が記載されていて、参考になりました。
チーム内で個人の異なる価値観がぶつかるタイミングは、個人的には好きですが、非常に居心地が悪く感じたり自身の安全が損なわれる気がする人がいることを改めて自覚できたのが良かったです。
強み⇔弱みの関係性
面接実施時や自己アピールのコツとして良く聞く話ですが、本書で挙げられていた、責任感が強すぎて自身の強みが発揮できないキャプテンの話が、個人的には響きました。
うちの組織*1では、幅広い範囲に責任を持つことが求められて、この責任範囲が適切なのか(個々人の強みを消していないか)を考え直そうと思いました。
自分ごと化
予測力*2が高くなりやすい環境になれば自然と自分ごと化が進み、指揮系統が明示的に作るような境界線がなくなり、最終的にはチームの仕事が全て自分ごとになるという話でした。
リクルートで大切にされているという「圧倒的な当事者意識」の話を思い出しました。
チームは生き物に近づく
チームが成長を続けると、最終的には生き物になるという表現が素敵でした。
感動・共感や面白さを基にチームメンバー個人個人が動き、その結果として大きな成果をチームとして出していく、というのはまさに理想のチームだと自分も感じました。
現実と比べるとまだまだ夢のような話ですが、理想のチームになるべく精進していきます。
また、完全に個人の感覚ですが、理想のチーム=生き物なら、理想のチームとは何か, どういう動きをしているのかを知るために、生物学の知見が役に立つのかな、と思いました。
学生時代は体育会の活動やアルバイトに傾倒しすぎて何も勉強していなかったので、今後は生物学や哲学など他分野の知見も学び、システム開発に活かしていくような試みもしていきたいです。
全体を通しての感想
冒頭や表紙から、タックマンモデルを強く押し出している書籍で、タックマンモデルのステージ順(フォーミング⇒ストーミング⇒ノーミング⇒トランスフォーミング)に章も記載されていたので、ミスリードがないか少し不安に思っていましたが、杞憂でした。
闇雲にストーミングに突入してはいけないことや、必ずしもモデル通りにチームが進まないこと、価値観が合わずに今いるメンバーがいなくなる場合の話をはじめ、現実世界で起こりうるシナリオと、その対処法が描かれていたのが特に好印象でした。
話が分かりやすくて良著だと感じましたが、学術的な話が少な目で、漫画のストーリーを基に大半の説明がされていた点が、少し自分の好みでなかったのだけ残念でした。