天の月

ソフトウェア開発をしていく上での悩み, 考えたこと, 学びを書いてきます

危機ドリブンと安心ドリブン

witch&wizards incの森さんが先日の1on1カンファレンスで発表していた危機ドリブンと安心ドリブンの話が、自分の現場を良くできるヒントになる気がして、個人的には刺さるものがありました。
早速現場で!と思って自分が感じたことをぶつけたのですが、自分がちゃんと整理できておらず、「仮説として理解はできるけどもう一歩理論的な説明が欲しい」「分かる気はするが自分は危機ドリブンだしピンとこない」等々の意見を受け、自分の中で今一つ消化不良の状態になってしまっていました。。
そこで、分散アジャイルの会で森さんに相談してみたのですが、たくさんいい話が聴けたので、言語化してみます。

危機ドリブンと安心ドリブンとは

(12/20 追記) 森さんが詳しい解説をnoteに書いてくれたので、参照ください。

note.com

====以下、森さんが記事を執筆する前に自分が簡易的にまとめていた内容====

森さんが提唱(?)している「人がどういう時にモチベーションを高めてエンジンをかけられるのか」を2タイプで定義したものです。
名前の通り、危機的な状況でモチベーションが高まるタイプ/安全な状況でモチベーションが高まるタイプの2パターンがあります。
どちらが悪いという訳ではないのですが、安心ドリブンな人の方が一般的には多数派である一方、危機ドリブンの人の方が活躍が評価されやすいという特徴があります。
詳細は、森さんの以下資料を参照してみて下さい。
・1on1大全(とても綺麗にまとまっているので是非!)

wizard.booth.pm

wizard.booth.pm

・1on1カンファレンスのスライド

   

なぜヒントになると思ったか(自分の現場の課題意識)

自分の現場で成果を出している人は危機ドリブンの方々が多く、プロダクトの屋台骨となっています。
その人たちが出す成果は圧倒的で、自分視点では想像もつかないレベルの成果を出しますし、創業して間もない時から会社を支えてきたという揺ぎ無い事実もあります。
一方で、これだけ成果を出している方がいるのに、若手がPJに定着しない(精神的不調で大多数の人が離脱してしまう)という問題を抱えています。
この問題の一つの原因*1が、危機ドリブンの人が安心ドリブンの若手の人たちがパフォーマンスを発揮できない環境を作っているのではないかと思い、ヒントになる気がしました。

森さん(+話を聴いていた方々)から聞けたこと

以下常体で、箇条書きベースで書いていきます。

  • 危機ドリブンと安心ドリブンの話は、参考文献があるというよりは、実際に現場や経営層の方と話をして見つけた話。
  • 危機ドリブンが悪い訳ではないし、危機ドリブンのマネジメントをしている人は危機ドリブンのはずなので、危機ドリブンを否定しても話が前に進まない可能性が高い。なので、危機ドリブンのマネジメントをしている人には「危機ドリブンが悪い」って話はしない方がいい。マネジメントが上手くいくコツとして「安心ドリブンで成長するメンバーもいるんですよ」ってアドバイスできると良い。
  • 危機ドリブンのマネジメントに問題意識がない人には、(安心ドリブンのメンバーが)退職してしまうという事実を伝えるのが良い。折角コストかけて育成したのにコストが水の泡になってしまうこと等、退職したことで発生する会社としての問題を伝えられると良い。
  • 良いマネジメントができる人とは、タイプ(ペルソナ?)を変えることが出来る人である。安心ドリブンのメンバーに対しては安心できる環境を提供させられるし、危機ドリブンの人には適切な方法で危機感を持ってもらうことができる。
  • 危機ドリブンと焦らせることはまた違う。危機ドリブンは、今のままだと何が起こるのかという事実を淡々と伝えて、メンバーの危機感を煽るイメージ。焦らせることは、日常生活とは違う世界に外部から引き込んで、何とか元の世界に戻そうとしたくさせるイメージ。
  • 危機ドリブン=責任感や使命感がある。焦るのは外部的要因がある、状態だと考えると分かりやすそう。
  • 焦らせてくる人は自分に危害を与える人だと捉えられるので、基本的には一緒に働きたくないと思われがち。ただ、小説家と編集者の関係のように、例外(焦らせてくる人と仕事したいと思われるケース)もあり得る。
  • 焦らせると適当に取り繕うスキルが身についてしまう。(開発人員は全然揃ってないのに、売り上げが少ないことを詰められた営業が厳しい条件の案件を持ってきて大炎上するなど)
  • ベンチャーとかだと危機(会社が死ぬか生きるかみたいな)の感じ方が、同じ会社の中でも職位とかによって変わるかもしれない。(持っている情報が全然違う)

感想

人が多いと緊張してしまうなあ...とか、伝えたいことを綺麗に伝えきれないなあ...とか、時間とかみんなの反応とかをどうしても気にしちゃうなあ...とか、無駄にどうすればいいか(HOW)をめっちゃ聞いちゃったなあ...とか反省は大量にあるのですが、相談して良かったです!
森さんが自分が悩んでいることをきちんと言語化してくれた上で、文脈や前提に応じて具体的な話を沢山してくれて、助かりました。

*1:唯一解という訳ではなく、他にも多数原因はあると思っています