天の月

ソフトウェア開発をしていく上での悩み, 考えたこと, 学びを書いてきます(たまに関係ない雑記も)

教育心理学概論を読んだ

教育心理学概論を読んだので、学んだことや感想を記載していこうと思います。

教育心理学概論 (放送大学教材)

教育心理学概論 (放送大学教材)

読んだきっかけ

昨日の1on1カンファレンスで三宅先生が認知について語っていたのですが、その話が非常に面白く、自身が認知したり学ぶプロセスに興味を持ちました。
また、1on1カンファレンス終了後の雑談の中で、学びと心理学について議論しているコミュニティにの存在を知り、今後参加させていただけることにもなりました。
上記2点の出来事から、「学ぶ」という行動について一度体系的な知識を学び直したいと思い至り、読んでみることにしました。

この本を学んで今後実践したいと思ったこと

今後日常生活や仕事で実践しようと思ったことをまとめます。

ペアワークやモブワークの作業をもっと積極的に取り入れる

建設的相互作用の話を読んで複数人で協調(協働)することで、問題を捉える枠組みが整理され、より速い時間で問題を正しく捉えたり、問題解決できることが分かりました。
そのため、もう少しペアワークする時間や考えをシェアする時間を増やしたいと思いました。
※現状の自分(チーム)は複数人で仕事することがあまりないので...

自分の話が相手に理解されなかった時に感謝する&どういう枠組みで自分が話している問題を捉えているのか確認する

認知の過程が人それぞれで異なるという話を読んで、*1自分の話が理解されなかった時は、自身の認知の枠組みを再考できるチャンスであることに気が付きました。
確証バイアスの話であったように、自身の認知の枠組みを見直す機会には中々恵まれないので、自分の話が相手に理解されなかった時には感謝を示し、相手がどんな枠組みで物事を捉えているか丁寧に確認することを心掛けようと思いました。

学んだことは自分の言葉で説明する

学んだことを自身の言葉で置き換えることで、自身がどういう枠組みで「分かった」と考えたかを整理出来たり、メタ認知する機会になることが分かりました。

そのため、自身が学んだことは必ず自分の言葉で説明して外に出すことをしようと思いました。
オキザリス」チームの見よう見まねでスタートしたこのブログも、アウトプットする貴重な場になっているので、今後もできる限り毎日学んだことの言語化を今後も続けていこうと思います!

この本を通して学べた知識

日常生活や仕事にどうやって実践するのかは分からなかったものの、いつか使える知識になりそうだったものをまとめます。

  • 知識や理解の構成過程(素朴理論や単純な経験則→原理原則)
  • 人は様々なことを学び、学んだことを深化させることを自然に行っている。
  • 表象置き換え理論(=人は学びを深化させていく過程で、ばらばらな事象を、一つの言葉を通して同じ事象にグルーピングする)
  • 定型的な熟達(驚異的なスピードで決められたことを行えるようになる)と適応的な熟達(別分野への応用ができるレベルになる)
  • 全員に同じ問題が与えらえれる状況は有り得ない(認知の枠組みが個々で違う)
  • 素朴概念と科学的概念の関係性
  • 学習目標が持つべき性質(可搬性、活用可能性、持続可能性)
  • 協調することで有利になる問題の特徴(九点問題)
  • 学びの3時代(師弟制時代→公教育制度時代→生涯学習時代)
  • 生涯学習時代になった後の課題(責任, 期待, 内容, 方法, 評価, 場所, 文化, 関係性)

感想

昨日の今日だったので、三宅先生が著者なんだから難しい話がたくさん書いてある教科書なんだろう、と思って覚悟を決めて読み始めました。(笑)
しかし実際に読んでいくと、文章も読みやすかったですし、理論の根拠となっている実験の数々はどれも興味深くて、楽しく読めました。
この本を読んで学ぶことについて知識を深める過程で、自分自身が本から学んでいく姿をメタ認知できて、「確かに本に書いてある通りに学んでいる!」と気が付けたのも凄い面白かったです。
「学ぶ」ことや「教える」ことに興味がある人は是非読んでみるといいのかな、と思いました。

 

 

*1:この本では10×10=100という計算式の例で、人によって認知の仕方が変わってくる旨が記載されていました