天の月

ソフトウェア開発をしていく上での悩み, 考えたこと, 学びを書いてきます(たまに関係ない雑記も)

ZombieScrumSurvivalGuide読書会 #11に参加してきた

yasashii-agile.connpass.com

こちらのイベントに参加してきたので、会の様子と感想を書いていこうと思います。

チェックイン

今日は好きな液体で盛り上がっていました。なかなか斜め上のテーマである実感がありましたが笑、意外と盛り上がって楽しかったです。

会で話したこと

以下、話した内容をトピックごとに箇条書きで書いていきます。

正社員ではないメンバーを自律させるためには?

  • スクラムとの親和性がないメンバーは採用レベルで採らないようにする
  • あだ名で呼び合ってもらう
  • プライベートでまず仲良くなる
  • 心理的安全性が高い場を作るところからスタートする
  • 立場に適応したがる傾向があるので、それを捨ててもらう
  • 社員がすることが多いような仕事を積極的にやってもらう

ルールをチームで決めるというのが気に食わない

  • 正直、本に書かれているような自己組織化を促すルールを決めるのは実践的でないというのはある
  • 不確実性を意図的に避ける傾向がある日本ではあまり向いていないようなルールな気もした
  • やらない理由はいくらでも見つけられるので、まず試しにルールを決めてしまうのは良いのでは?

ベストプラクティスをチームに採用したり置き換える過程で気をつけていること

  • Whyを大切にする
  • チームに納得感を持ってもらうようにする
  • ロールバックできるアイデアで、なおかつチームの言葉でプラクティスの必要性が説明できるような内容なら、そのままベストプラクティスをコピーしてくることもある

POの向こう側にいるステークホルダーにリーチしにくい

  • 上司を通してリーチする(上を通してinvitationを出す)

人の入れ替わりの時とかに絶望の谷を乗り切る方法の1つで色々型に嵌めたくなるんだと思いますが、みんなどうやってのりきってるのかききたい

  • 0ベースでやる。実際にやってみせて人が入れ替わったらパフォーマンスが下がることを実感してもらう

会全体を通した感想

今日は普段と比べてサクサクテーマが切り替わりながら進んでいく印象で、またいつもと違った雰囲気感があって楽しかったです。

だいぶ毒が吐かれる場面もありましたが笑、全員の楽しみ方や参加の仕方が尊重されて、それぞれが学びを得られる場で素敵だなあと思いました。

大人のソフトウェアテスト雑談会 #123【ひふみ】に参加してきた

ost-zatu.connpass.com

今週もテストの街葛飾に行ってきたので、会の様子と感想を書いていこうと思います。

英語を喋る頭

英語を喋る頭と文法を考えながら書く頭はまるで違うという話を聞いていきました。

色々なエピソードを聞いたのですが、万博に通い詰めた時にひたすらアフリカ人の英語を聴きまくった結果、麒麟giraffeというイメージがついてしまい、麒麟という日本語が全く出てこなくなって、giraffeしか話せなくなったというお話は特に印象的でした。

他にも、英語を話すときは説明を簡単にするスキルも必要なのではないか?という話が出ていたり、英語でコミュニケーションを取る前にそもそも日本語でコミュニケーション取れているの?という話や、英語を喋れる人も月曜日から金曜日まで喋れる訳ではないんだという話だったりと、興味深い話が多数出ていました。

話題がすぐに&自然に移り変わることで有名な葛飾ですが、ちょうど英語を喋れる人が今日はこの話題でかなりの時間を使っており、盛り上がりを見せていました。

日本語におけるコミュニケーション

コンテキストに頼ったコミュニケーションが非常に多いのが難しいところだという話をしていきました。
その流れから、裁判で「および」などの言葉の解釈で話の結果が変わったという例も聞くことができて、面白かったです。

なお、分かりやすい説明の代表例として、免許の説明が挙がっていたので、今度注目してみてみようと思います。

management3.0の流れとPdMやEM

マネジメントの仕組みを作って、メンテナンスをしていく人にならないと、この後生きていくのが辛いよ、という流れとPdMやEMが注目を浴びている流れは似ている部分を感じるという話を聞いていきました。

概念が生まれてバズワードになって再定義が試みられて...というメカニズムを聞くことができて、面白かったです。

EMの定義のずれ

最近のEMは、XX人のマネジメントができること、採用ができること...といった定義になっていて、当初EMのキャリアを志していた人にとってはズレがあるという話や、海外のEM情報*1を聞いていきました。

ちょうどエンジニアリングマネージャーのしごとの講演を聞いた後だったので、ホットな話題で興味深かったです。

全体を通した感想

今日はとある方がいらっしゃったこともあって笑、品質関連の話題で心のNDAを結んだ上での話が前半に多数出ていたのですが、個人的にはここ最近で3本の指に入るくらいのめちゃくちゃ面白い話で、とても楽しかったです。

また、改めて、eroccoさんの博学ぶり(知識の量もそうですが、話の引き出しの多さや経験のユニークさ)を実感しました。

*1:EMはエンジニアの査定をするために存在している

エンジニアリングマネージャーのしごと - Forkwell Library #5に参加してきた

forkwell.connpass.com

こちらのイベントに参加してきたので、会の様子と感想を書いていこうと思います。

会の概要

以下のイベントページから引用です。

これまで Forkwell のイベントで登壇されたエキスパートの方々は、先達が記した書籍から「気づき」を得て実践し、振り返り、再現性のある「学び」として身に付けていく中で、実績を築いてこられました。

しかし、日々限られた時間の中で知識や情報をアップデートし続けるのはそう簡単ではありません。 Forkwell Library では、著者・訳者・実践者らを登壇者として招き、そんな思いを抱えた開発者の皆さまが「学びのきっかけ」を得られる勉強会を目指します。

今回の第5回目では2022年8月26日に出版の最新刊『エンジニアリングマネージャーのしごと』を取り上げます。翻訳者である吉羽 龍太郎氏をお招きしてエンジニアからエンジニアリングマネージャーになるためのノウハウをお聞きしていきます。

会の様子

Ryuzeeさんの基調講演

時間の都合上本の詳細な内容説明は難しいということで、本全体で根幹をなすような部分の説明をしてくれました。

エンジニアリングマネージャーが関わる領域

テックリードといった他の似た役職と比べて、ピープルマネジメントを主とするような関わり方が一般的になるという前提を最初に共有してくれました。

エンジニアリングマネージャーのキャパシティ

稼働率100%の危険性はワインバーグ先生からも話がされていますが、マネージャーは特にそういった部分が大事になってくるため、まずは自分自身のキャパシティが整理整頓できている状態を作るのが重要だというお話がありました。

この状態を作るためには様々なツールがある*1ので使用するツールは個人が選べばいいということでしたが、考える時間が明確に確保できる状態になるというお話しでした。

マネージャーのアウトプット(アウトカム)

マネージャーはチーム全体のアウトプット(=自分のチームのアウトプット+自分が影響を与えた他のチームのアウトプット)が自身のアウトプット*2となるため、自分がどれくらい熱心に働いてもダメで、チームがどれくらいアウトプットを出しているのか?を常に気にする必要があるというお話が出ていました。

マネージメントのしごと

マネージメントのしごととして、以下の4分類が紹介されました。

  • 情報収集(1on1、雑談、メール...)
  • 意思決定(採用決定、面接候補者決定、PRレビュー...)
  • ナッジング(様々なロールの人へ提案、ベストプラクティスの共有)
  • ロールモデル(残業しないこと, 勉強会での発表, 積極的に褒める...を率先して示す)
移譲

マネージャーは自身で手を全て動かすのではなく、人に仕事をやってもらうことが必要なため、デリゲーションポーカーなどを活用して移譲する範囲を人や仕事ごとに決めることが重要だというお話が出ていました。

また、移譲のアンチパターンである、丸投げや自分のやり方の押し付けは絶対にやってはいけないという話もありました。

マネージャーとしての不安

マネージャーはメンバーやチームの仕事に対して不安を覚えることが多いですが、この対応策として、マネージャーは全部が自分通りになることはない(自分が全てをコントロールすることはできない)ことを理解しておくことが重要だというお話がありました。

また、自身の仕事に対して自分でコントロールできる度合いを整理しておくことで、ストレスの軽減が図れるというお話も出ていました。

スタッフの仕事

理想論にはなってしまうものの、仕事に合った人を調達するのではなく、人に合った仕事を調達することが重要だという話が出ていました。

また、当然ながら人によって仕事の好みや興味は変わるため、人ごとに仕事を割り当てることが重要だということです。

1on1

個人の目標設定やキャリア、プロダクトの話...非常に多岐にわたる話を1on1ではするため、1on1のスキルを高めるのは重要だというお話が出ていました。

また、これだけ多岐にわたる話をする場であるため、一ヶ月に一回の頻度では全然足りず、2週間に1回が最低限、できれば1週間に1回は1on1をやった方がいいということでした。

まとめ

「マネージャーはスタッフのために存在するものである」ということを意識しようという話がこれまでの話を踏まえたまとめとして紹介されていました。

Q&A

よろヒヒーンって原著ではなんて書かれていたのか?

"Hello new neighbor!"だそうです。*3

技術に強みはないEMは成立するのか?

チームの会話やチームで発生する課題は必然的に技術的な話題が多いため、技術的な会話が全然わからないというのは無理だけれども、ある程度話が理解できるレベルならテックリードといった別ロールの人に技術的な部分はフォローを任せ、主領域であるピープルマネジメントに尽力するのは一つの手だというお話が出ていました。

EMがエンジニアからリスペクトされるには?

誠実であり普段の行動から自身が見本となるような行動を率先していれば、技術的にすごい強みがなくてもリスペクトされると思うという話が出ていました。

また、どんな人に対しても安定して(態度を変えずに)接せるかどうかというのも、かなり重要なポイントだということです。

EMのキャリアパスはどのように考えると良い?

エンジニアのためのマネジメントキャリアパスの話が参考になるというお話が出ていました。

ただ、ラダーを必ずしも上げる(チームリーダー→EM→CTO...)必要は別にないので、自身がどういう風になりたいか?というのを考えることが重要だということです。

EM/PM/PdM/テックリード責任分界点は?

組織によって責任分界点は違うため、一般的な定義を知ろうとすることよりも、自分の組織でどのようなことがそれぞれのロールで求められているか?が重要だというお話が出ていました。

ただ、世間的にはこうだよね、という理解と大幅なずれはまずいということです*4

EMのアンチパターンは?

詳細は本を読んでほしいということですが、日本でよくあるアンチパターン&Ryuzeeさんが考える最大のアンチパターンとしては、PMとEMの兼任を挙げてくれました。

PMはどうしてもデリバリーのプレッシャーがかかるため、ピープルマネジメントを軸に置くEMとは相性が悪いということです。

こういった状況になったときは、シニアエンジニアやテックリードをはじめとした違う人に、PMやEMの移譲をしていくことが重要だということでした。

訓練したメンバーの転職を防ぐには給与以外の要素だと何があるのか?

給与以外と書かれているもののの、やはり給与はとても重要だということでした笑
EMがもし給料を調整できないならエスカレーションするなりした方がいいという話をしていました。

また、それ以外であれば、やはり仕事が面白いかどうか?を本人が実感できていることが重要だということです。

プレイングマネージャーとなっているEMのアンチパターンは?

プライマリーロールの責務を果たすことがまず重要だということです。(EMの責任を全て果たした上で時間が余っているのなら、プレイングしても良い)

また、似たようなパターンとしてSM兼開発者も紹介されていました。
SM兼開発者としてチームに入ると、本人が思っている以上にチームに与える弊害*5は大きいということです。

コーチングなどのスキルをEMではどのように学んでいるのか?

(コーチングスキルが必要かどうかの議論も含めて)正直人や現場によるものの、コーチングの講座を受けるなどが方法として挙げられるということでした。

Ryuzeeさん個人が大事だと思うEMの能力

文章を書くスキル(言語化能力)はかなり重要だと思うとお話をしてくれました。

書いて添削してもらって...というサイクルを回すことで上達できるということです。

EMになるためにまずは何からやるか?

人との関わりがある仕事なので、メンターを務める等、人と関わるタスクをこなしていくことが第一歩ではないかという話が出ていました。

一緒に働いてる人を積極的に助けていくことで、周囲からのFBによってチーム内でもEMとしての素養が認められるのでは?ということです。

EMのアウトプットの方程式は単純な足し算ではなく、比重が変わってるのではないか?変わってくるとしたらどういう能力がEMには求められるのか?

人数などの変数によって比重が変わってくるのは間違いないということでした。
そういった話も踏まえ、課題を具体と抽象で行ったり来たりするのは重要ではないか?ということです。

なお、面倒を見切れる人数は成熟度が高くても10人が限界で、成熟度が低ければ5~7人くらいになると思うということでした。

リファクタリングやEOL対応など不確実性の高い単発タスクをスクラムチームにアサインするのを難しく感じているのだがどうすれば良いか?

解決したい問題の規模感や仕事を進める戦略はエンジニアがプロフェッショナルなので、最終決定権をEMが担う場合があったとしても、エンジニアを信頼して良いのでは?ということでした。

会全体を通した感想

質問もTLもかなり活発で、EMという仕事の注目度の高さや難しさを実感しました。

久しぶりにRyuzeeさんがRyuzeeさん節でプレゼンをしてくれる姿を見ることができて、とっても楽しかったです。

*1:Microsoft TODO, gmail, obsidian...

*2:この書籍でいうアウトプットはアウトカムの概念に近いため、アウトカムとして理解してよい

*3:なお、皆さんご存知の通り(?)みほらぶさんが訳された部分らしいです笑

*4:例えばSMといいつつPMとかは代表的なだめパターン

*5:開発者としての提案でも、SMとしての提案だと受け取られるなど、ロールの判別ができなくなったりコマンドコントロールになったりしてしまう...

Googleのソフトウェアエンジニアリング チラ見会 第0回に参加してきた

engineering-floor.connpass.com

こちらのイベントに参加してきたので、会の様子と感想を書いていこうと思います。

チラ見会は普段ブログに残していないのですが、今回は第0回ということで、宣伝も兼ねてブログにしています!

会の概要

Googleのソフトウェアエンジニアリングの読書会を10月から開催しようとしており、その読み方をはじめとしたスタイルを議論していこうという会です。

会で決まったこと

  • 90分/会で開催する
  • 事前の準備はしない(その場で読む)
  • 事前に読んできて感想セッションだけ参加できるような形にするために、次回読む範囲は決めておく(もちろん何も読んでこないで当日読むでもOK)
  • 冒頭は前回のあらすじを読む
  • どの部を読むかは期間ごとに固定して、そのなかで読みたい場所を決める
  • 一章が長そうなので、読む章を決めたら、10ページくらいを一回ごとに読み、その章を読み切るまでは同じ章を読む
  • 引用+メモの形式を基本とする
  • 章の結論と要約を中心に理解を深めることをやってみる
  • scrapboxにアウトプットする
  • 何かしら現場での実践に紐付けられるようなワークや質問をする。(「この本があるのになぜ実践する企業はすくないのか?」などなど)
  • 開始時間は月によって変えてみる(10月からは20:30〜、11月からは21:00〜、12月からは20:30または21:00のどちらか)。曜日は月曜日固定。
  • 次回(第一回)は10/3に開催する。

会で印象的だったこと

参加者の多さ

チラ見会としては異例の10人以上の人たちが参加しており、議論も活発で、賑やかな雰囲気で行われました。

初回とはいえど、これだけの人が集まったのは新鮮で、会が盛り上がる予感がすごくする時間でした。(connpassで申し込みされていた方(興味がありそうな方)は他にもいらっしゃったので、さらに盛り上がる予感もします...!)

新しいチラ見会のスタイル

チラ見会のやり方はどのチラ見会であってもこれまでほぼ固定だったのですが、今回は上に書いたように多種多様な試みが生まれ、これまでとのいいところは残しつつも、素敵なチラ見会になりそうな予感しかないスタイルとなりました。

ゆたかな廊下の命名理由

ボイスチャットの部屋の名前がどのような経緯で作られたのか?というお話を聞くことができました。

アレグザンダーや乾久美子さんの影響を強く受けているということで、何かを創発させるような名前をつけたいと思った結果*1が「ゆたかな廊下」だったそうで、思わぬ形で小さなこだわりを垣間見ることができて楽しかったです。

会全体を通した感想

読書会のモチベーションがめちゃくちゃ高まるので、第0会の文化は素晴らしいな、と感じました。

新しい試みが加わったニューチラ見会が今後どうなるのか、非常に楽しみです!

*1:ボイスチャットに「雑談」などとあると、雑談をする部屋なんだな、となってしまう

freee Tech Night 「これってもしかして……認証基盤が入れ替わってる〜?」に参加してきた

freee-tech-night.connpass.com

こちらのイベントに参加してきたので、会の様子と感想を書いていこうと思います。

会の概要

以下、イベントページから引用です。

今回のテーマは「これってもしかして……認証基盤が入れ替わってる〜?」です。

freeeがリリースされた古の時代から動き続けていた認証認可基盤。新規のプロダクトがリリースされるごとにどんどん複雑化していく仕様。そんな認証認可基盤がついにリプレイスされました。  Webサービスの要ともいえる認証認可基盤、万が一止まってしまうとfreeeのすべてのサービスが止まってしまう大惨事に。そんなプレッシャーと闘うマイクロサービス化のための1,454日間のエンジニアの記録をお話します。

会で印象的だった箇所

大規模リプレイスに至った課題感

freeeの初期プロダクトである会計アプリケーション内にあった認証認可の情報を給与計算アプリケーション内でも使用できるようにしたいよね、という課題感から今回の基盤リプレイスに至ったというお話でした。

大規模リプレイスの障壁

freeeでは会計以外でも様々なプロダクトを生み出していく会社であるため、複数のプロダクトから同じDBにアクセスするような状況になっており、DBが高負荷になってしまっていたそうです。

こういった問題解決のため、シャーディングやAuroraへの移行も検討されていたそうですが、参照されているDBが初期に作られていたこともあって、データモデリングがうまくいっておらず変更が難しい状態だったのが大きな障壁となったそうです。

また、膨大な数のサービスについて、新旧環境で差分が起きていないか?起きている場合はなぜか?というのを調査するのは非常に大変だったということです。

リプレイスまでの手順

以下の手順で大規模なリプレイスを進めたということです。

  • データモデリングの見直し&リファクタリング
  • データを読むAPIを実装(元々の挙動を担保するために、新旧環境で読んだ結果に差異があった場合は検知できるような仕組みを作った。ここで差分が出た時の対応は後続のステップに回した)
  • データを書くAPIを実装
  • データを読むAPIで起きていた新旧環境での差異を大幅に変更

とんでもないプレッシャーとの戦い

万が一認証基盤を新しくした結果システムが動かなくなってしまった場合、freeeの全基盤に影響が出てしまうのはとんでもないプレッシャーだったそうで、基本的にはとにかく安全で石橋を叩きながら渡るような開発をしていたそうです。

具体的には、環境変数などですぐに旧環境に切り替え可能とする仕組みを作ったり、新旧環境でわずかでも差分が起きていた時は即座に検知できるような仕組みを作ったというお話でした。

プロジェクトでできた成長

以下の点が成長できたポイントとして挙がっていました。

  • システムでバグがあった時は「すみません」で済んでいたプロダクトしか経験していなかったので、堅牢なプロダクトの作り方が身についたのはよかった
  • 大人数で協働しながらリリースまで漕ぎ着く能力(他のチームとのコミュニケーションなど)
  • ドメイン駆動開発の採用
  • インフラ周りの知識がかなりついた

会全体を通した感想

良い意味で、これまで参加してきたイベントとは割と異なる雰囲気でイベントが進行されていて、新鮮さを感じました。アーキテクチャをどう変更したかも含めて具体的にお話を聞きながら、得られた学びを多数聞けたのはとても楽しかったです。

また、配信の質やファシリテートもストレスレスで非常に聴きやすかったです。
freeeさんのイベント参加は今回が初参加だったのですが、めちゃくちゃイベント運営慣れしているなあという印象があって、社内イベントを外部公開することを検討している自分自身にとっても参考になる部分が多いイベントでした。

2022年8月のふりかえり

8月が終わり9月に入ったので、8月のふりかえりを簡単にではありますがしていきたいと思います。

自身のニーズに向き合った

コーチングで教えてもらった感情とマッピングしてニーズを考えるというワークをひたすらやってみました。

やり始めて最初の方は、多様なニーズが多く出ていて、中には他のニーズと一見すると矛盾するようなものもあったりして悩む場面もあったのですが、数をこなしていくと徐々にそれらのニーズが統合されていくような印象が出てきたのは面白かったです。

ただ、統合されていくとはいっても明らかに違うニーズも存在して、でもそれもまた自分で...というのを感じられたのも不思議でした。

長い間続いていた読書会が二つ完走した

これまで続いてきた以下二つの読書会が完走しました!

engineering-floor.connpass.com

educational-psychology.connpass.com

どちらの読書会も8ヶ月近く続いていた読書会だったのですが、その分じっくりと読んでみんなでワーク*1をしたり、本の理解や感想、仕事との紐付けなどをじっくりと行えた本だったので、非常に学びが多い読書会でした。

また、ベイトソンについてはすっかりファンになってしまったので、(今年中に新訳が出ると噂の)精神の生態学を心待ちにしながら、ベイトソン著作の本を最近は読み進めています。

現場での今後の行動や過去に自分がしてきた行動に対して、変容を起こすきっかけにしていきたいと思って読書しているので、このような変容につながりやすい読書会は、今後も継続していきたいと思います。

妻の家族に挨拶をしてきた

8月最後の週は、北海道にいる妻の家族に挨拶をしてきました。

COVID-19の影響もあって結婚前に対面で挨拶ができていなかった点がずっと心に引っかかっていたのですが、ようやく対面で挨拶することができてホッとしました。
まだ挙式は残っているのですが、4月から色々と動いていた結婚関連の動きはようやく一つ区切りがつきました。

全体を通して

他にも公には書けない部分でも色々と変化があったりと、上の記載以上にかなり動きが激しかった月でした。

7月は少し停滞感を感じつつあったので、刺激や変化に恵まれる幸せを改めて実感した月でした。
体調にだけは気をつけて、残り4ヶ月を走り切りたいと思います。

*1:本の質問に答える...

エンジニア採用とマネジメント with 久松剛に参加してきた

engineering-floor.connpass.com

こちらのイベントに参加してきたので、会で印象的だったことと感想を書いていこうと思います。

会の概要

以下、イベントページから引用です。

エンジニアの採用やマネジメントは本イベントでも何度か話題にしてきましたが、まだまだ形式知化が不足している分野と言えるでしょうし、トレンドもある分野になります。今回は「ITエンジニア採用とマネジメントのすべて」の著者である久松さんと エンジニアチームとしてチーム移籍をしたり、採用をしているkyon_mmが雑談します。

会で印象的だったところ

ITエンジニア採用とマネジメントのすべての対象読者

久松さんが書かれている「ITエンジニア採用とマネジメントのすべて」は採用が難しい会社向けに書かれた本だというお話がありました。*1

このように、「まずは自社の強みを理解しよう」という話に至ったのは、(エンジニア職の人は特に)採用候補者から「なぜこの会社に入ったのか?」と言われた際に答えることができない人が多いことに問題意識を持ったのがスタートだというお話でした。

採用面接を受ける際にチェックすること

久松さんが様々な採用&面接に携わった過程で実際にチェックしている話を聞いていきました。
久松さんは、以下のようなポイントをチェックされているということです。

  • 貼り紙の内容を見る(トイレに「早く出るように」という貼り紙がある)
  • 廊下の様子(医療の会社なのにマスクせずに廊下で会話をしている)
  • 本棚のラインナップがどうなっているか?新しい本はあるか?
  • 段ボールが積まれていないか?

本を書くことになったきっかけ

元々久松さん自身で本を書きたい気持ちがあったところに、久松さんが書いたnoteを見た編集者さんから本を書いて欲しいという話が聞けて、出版に至ったようです。

また、本を書くに至った課題感として、採用を頑張るあまり会社が傾いてしまっている会社が多いことに問題意識を持ったというお話もしてくださいました。

きょんさんの考える採用

きょんさんはベースとして、人を増やすことに興味がないということで、少ない人数でビジネスモデルをスケールさせることを目指しているということでした。

そのため、前職で採用をしていた時は、候補者に3日間の日程を確保してもらったということで、そこで実際に仕事をしてもらって腕を見たり価値観を確認した上で採用を行なっていたそうです。

マネジメントを久松さんが勉強している理由

採用に関する本を書いたりと、採用のイメージが強い*2久松さんですが、そんな久松さんがなぜマネジメントも勉強されているのか?という話を聞いていきました。

久松さんは、人事だけで今後もご飯が食べていけるとは思っていないという背景で、マネジメントを勉強しているということでした。(人事にも評価や労務あたりを勉強することを勧めているということでした)

なんでも内製化?

内製化する際に何でもかんでも内製化しようとした結果、難度が低い事業だけ内製化されて、難度が高い(規模が大きい)事業は業務委託に任せてしまう、という会社が実際にあるという話を久松さんがしてくれました。

何でもかんでも内製化するのではなく、コアな事業に絞って内製化するという考え方には共感が強かったです。

会全体を通した感想

採用や評価の話題を中心に、採用のプロフェッショナルである久松さんから色々な話を聞くことができた、非常に楽しかったです。

途中でちょこちょこあったIT怪談も印象的でした笑

*1:きょんさんからも、「経営管理の人たちがやるような分析をしっかりしていこう、というのを採用に活かすとこうなるよね、という話が多かった印象がある」というお話が出ていました

*2:実際に採用の仕事も多くやられている